| アルフィンは、ブリッジのジョウの席に座り、モニターで宇宙(そら)を見ていた。 今日はアルフィンの当直の日。チェック項目も済ませ、後は緊急連絡、緊急事態さえなければ特になにもする事はない。 時刻は標準時刻午前3時。 ただ、なにをするわけでもなく、宇宙(そら)を見ている。飽きる事なく・・・。 眠気覚ましに自分で淹れたコーヒーもすでに冷め切っている。 そのコーヒーに手を伸ばし、一気に飲み干す。 「・・・お代わり、作ってこよう。」 ぽそっと独り言を言うと、席を立ち、キッチンへ向かった。 こぽこぽこぽ。コーヒーの香りがキッチンへ充満する。 大きめのマグカップに少しのミルクを入れ、コーヒーを注ぐ。 両手で包み込むようにして、再びコクピットへ向かった。 すると、コクピットから、カタカタとドンゴが出てきた。 「キャハハハハ、あるふぃん、今カラノ当直、私ガ代ワリマショウ。キャハ。」 「え、どうして、ドンゴ?」 不意のドンゴの申し出に驚くアルフィン。 「コノ間、どるろいニ寄ッタ時ニ、高級おいるヲ奢ッテクレタデショウ?ソノ、オ礼デス。キャハ。」 「あら、いいわよ。ドンゴにはいつも無理言ってるから、そのお礼のつもりであげたんだから。」 くすくす笑いながらアルフィンが言う。 「あるふぃんガ遠慮シテハイケナイノデ、今カラ明ケ方マデガオ礼ノ時間ッテ事ニシテ下サイ。キャハハハハ。」 えらく気が利くロボットである。 「じゃ、ドンゴの好意に甘えちゃおうかな?」 「キャハ、ハイ、ソウシテ下サイ。ソシテ、マタおいるヲオ願イシマスネ。キャハハハハ。」 ・ ・・・ずる・・・。ずっこけるアルフィン。 「そ、それが本音ね・・・。」 「ハイ♪あるふぃんガクレルおいるハ、質ガ良イノデ。キャハハハハ。」 それでも、ドンゴなりに気を利かせてくれているのがアルフィンは嬉しい。 「そりゃ、選ぶ人間が違いますもの。じゃ、また良いの、プレゼントさせてね♪」 そう言うと、ドンゴに向かってウインクをする。 「キャハハハハ、オ願イシマス♪キャハハハハ♪」 ドンゴは上機嫌(!?)で、コクピットへ消えていった。 「さて、どうしようかな?」 明け方までまだ間がある。 「シャワーでも浴びて、一眠りしよう。」 アルフィンはマグカップを持ったまま、シャワールームへ向かった。
「あー、さっぱりした♪」 着替えは当直前にシャワールームに置いていたので、それに着替えた。ジョウのTシャツだ。ミニスカート丈程あるので、パジャマ代わりに使っている。 「あーあ、コーヒー、また冷めちゃった。ま、いいか。」 冷めたコーヒーのなみなみ入ったマグカップを手に、アルフィンは自室に戻った。 部屋に入って、机の上にマグカップを置く。 ぐぅーんと伸びをして、さあベットへ、と思ったらブランケットの間からにゅっと手が出てきて、アルフィンの腕をつかんだ。 「ひぇ!!」 驚くアルフィン。そのままベットへ引きずり込まれる。 「きゃぁ・・・むぐ・・・。」 悲鳴を上げようとしたが、手で口を塞がれた。 ジタバタしていると、 「・・・俺。」 寝起きのジョウの声。 「“な、なにやってんのよ!!”」 アルフィンは、そう言おうとしたが、実際は 「むっむぐくむむくむぐむ!!」 言葉になっていない。ジョウはまだ、手を退けてくれない。 「大声、出すなよ?」 ジョウが言う。アルフィンは仕方ないので、コクンと頷いた。 「ぷはー、もう、なんで私の部屋で寝てんのよ。」 アルフィンが驚いた様に聞く。 「・・・コーヒー、くれ。」 んっもう、とブツブツ言いながら、ジョウに冷えたコーヒーを渡す。 ジョウはそのコーヒーを半分ほど一気に飲んだ。 その様子を見ていたアルフィンはもう一度、ジョウに聞いた。 「ねぇ、なんで私の部屋にいるの?どうして自分の部屋で寝ないの?」 小首を傾げながら聞く。 するとジョウは、ポリポリ頭を掻きながら、ぽそりと呟いた。 「・・・一人で寝る気分じゃなかったんだ。」 「へ?」 素っ頓狂な返事をするアルフィン。 「そういう時に限ってアルフィンが当直に当たってたんだ。で、ここなら寝れるかと。まさか、戻ってくるとは思ってなかったから。」 照れくさそうに答えるジョウ。 「こないだ、ドルロイでドンゴにオイルを奢ったのよ。そしたら、そのお礼って、朝までの当直、代わってくれたの。」 アルフィンは、そんなジョウに経緯を説明する。 「へー、ドンゴがねー。」 「で、寝れないなら、ビデオとか見てれば良かったのに?」 「見る気がしなかった。」 「コクピットに来ればよかったのに。」 「・・・俺は寝たかったの。」 「で、私の部屋へ?」 「そう。」 「なんで?」 ジョウは暫く黙っていたが、 「・・・・・ここはアルフィンの匂いがするから。・・・落ち着くんだ。」 ジョウは真っ赤になって、そっぽを向いた。 「・・・ジョウ?あのね、私もジョウの匂いがすると落ち着くの。一緒ね。」 頬を薔薇色に染めたアルフィンは、にっこりと笑った。 「ね、横に入っても良い?」 子供がなにかをねだるような口調で聞く。 「ああ、だってここはアルフィンのベットなんだぜ?」 笑いながら、ブランケットをはぐるジョウ。 そこへ、するりとアルフィンが滑り込む。 「こりゃ、ドンゴに感謝だな。」 ジョウはそう言うと、自分とアルフィンをブラッンケットで覆った。
アルフィンはジョウに抱きついていた。 「ジョウの匂いがいっぱいする。」 そう言うと、ジョウの胸板に頬を寄せる。 「そうか?じゃ、もっといっぱいにしてやる。」 ジョウはアルフィンの顔を自分の方に向けさせ、唇を落とす。 最初は浅く、そして、徐々に深く、深く。 ジョウの手はアルフィンの背にまわり、ブラのホックをはずし取り去る。そのまま腰から太股を撫で回す。 「・・・えっち。」 潤んだ眼でジョウを見つめるアルィン。顔は上気している。 「男は皆、えっちなの。」 にやりと笑って、一気にTシャツを剥ぎ取る。 「・・・じゃ、ジョウも脱いで。」 アルフィンもジョウのTシャツに手をかけ、脱がせた。 ジョウの均整の取れた肉体が露になる。アルフィンの鼓動はさらに早まる。 ジョウはアルフィンの唇に舌を這わせながら、アルフィンの舌に自分の舌を絡ませる。 ジョウはしばらくキスを楽しむと、今度はアルフィンの首筋へと移動する。そして、胸元へ・・・。 「ぅんっ、はあぁ・・・。」 アルフィンの唇からは、甘い吐息が漏れ出す。 アルフィンの吐息に刺激され、ジョウはアルフィンの胸元に顔を埋める。 アルフィンは、ジョウの黒髪を掻き抱きながら喘ぎ続ける。 ジョウはアルフィンの秘部へと指を這わせた。 「ひぁっ!」 アルフィンの喘ぎが悲鳴にも似たものに変わる。 「・・・ぐしょぐしょ。」 嬉しそうにジョウがアルフィンの耳元で低く囁く。そして指の動きを早める。 アルフィンは喘ぎながら、いやいやと首を振る。 逃げようとするが、ジョウがそれを許さない。 「だーめ。」 ジョウはそう言うと、アルフィンの中へと入っていく。 「はあぁぁぁぁぁぁっ・・・・・。」 吐息と甘い喘ぎが一緒になった声をアルフィンが上げる。 「うっ・・・くっ・・・。」 ジョウも思わず声を出す。 「ひぁっあ!ジョウ、ジョ・・・ウ!」 アルフィンはジョウにしがみ付き、両足をジョウに絡ませる。 ジョウもアルフィンを抱く手に力を込める。 「アル・・・フィン!」 繋がったままお互いの唇を貪る。深く、深く。 汗ばんだ体が、2人をよりいっそう密着させる。 アルフィンはジョウにしがみつき、ジョウはアルフィンの腰を引き寄せる。 申し訳程度に2人の体を覆っていたブランケットはベットからずり落ち、ほの暗い部屋の照明に照らされて、壁に淡い陰が蠢く。 ジョウはアルフィンの胸元をきつく吸い上げる。くっきりと後が残るように。 「ゃ、ん、後が残っちゃ・・・ぅんっ・・・。」 喘ぎながらも、抗議するアルフィン。 「俺んだから、いいの。」 額に汗を滴らせながらジョウが答える。 「で、でも、んっ!」 言葉をつなげようとするアルフィンだったが、ジョウが動きを速めた為に喘ぎ声しか上げられない。 「ああぁぁ・・・。ジョウ・・・。」 アルフィンの甘い吐息がとめどなく漏れる。 「アルフィン・・・。」 お互いの名を呼びながら2人は絶頂を迎えた。
「・・・今日ね。」 アルフィンはジョウの腕に抱かれたままの体勢で言葉を紡ぐ。 「ジョウが私の部屋に居てくれて良かった。」 「・・・抱き合えたからか?」 にやっと、ジョウが笑う。 「ん、それもあるけど///こういう風にジョウと居られるのが幸せなの。」 アルフィンはそう言うと、ジョウの眼を見つめる。 ジョウは眼を細めて愛しげにアルフィンを見つめた。 「そりゃ、俺もだよ。だから、此処にいるだろ?」 「んっ!」 アルフィンは満面の笑みを浮かべた。 「その顔見せられると、堪んなくなるんだけど。」 少し困ったように笑うジョウ。 「・・・なんで?」 少し小首を傾げて、上目遣いでジョウを見るアルフィン。 ぞくり。とするほどの妖艶な表情。・・・本人は気付いていないが。 “あぁ、気づかないっつーのも、困りモンだがなー。” 「そういう仕草、俺にしかするなよ。」 少しムッとして言う。 「???どうして?」 まったく自覚がないアルフィン。 「誘ってるように見えるから。」 すぅーっと眼を細めてアルフィンを見る。 どきっ。アルフィンの鼓動が早まる。 「ジ、ジョウだって、そんな眼で・・・ドキドキしちゃうんだから。」 アルフィンの頬が、ぽぉーっと桜色に染まる。 「へぇー、じゃ、いいって事で・・・。」 にやり。ジョウが意味深な笑みを浮かべる。 「え、えぇぇぇぇ!?」 再びアルフィンは組み敷かれて第二ラウンドが始まったのであった♪
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