| 激しい行為の跡を、雲間から出てきた月が照らしている。 乱れた金髪もそのまま、アルフィンはうつぶせで枕に手を乗せ、顔だけを月に向けて眠っていた。 剥き出しの白い背中に、ジョウがそっとブランケットをかける。
出逢ってから何年も経って、あの日、やっと動き出した時間。 あの奇跡の海で初めてキスをした。 この部屋で初めて、君を抱いた。 そして、いつしか4年が過ぎていた。
「いつしか」と思っていたのは、多分、俺だけだ。
ジョウはベッドを降りると、床に落ちている服のポケットから、箱を出した。 少し迷って、リボンを解く。 月明かりの中に、『Blue Snow』が鈍く光った。
ジョウは、眠るアルフィンの左手の薬指に、指輪を嵌めた。
目が覚めたとき、彼女は何と言うだろう。 俺は何を、言うだろう。
FIN
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