| 確かにこの世の中には未知の力と言うものが存在する。
俺は全然会いたくもないのにそういう力を持つ人間をこの眼で見てきたしエライ目にも遭ってきた。そのお陰か知らんがそういう力を持った人種を羨ましいとは思えない。ましてや自分がそうなりたいなどとは一欠けらも思っちゃいない。
ただ、もしもそーいう類の特殊な能力が俺に一つだけあったとしたらだ。
とりあえずアイツとコイツの頭に嫌ってほどビールをぶちまけて
あの野郎の顔に真っ赤なスプレーを喰らわせて
そいつの腹にボディを数発お見舞いし
そのあとみんなまとめて店の外に放り出す。
黙って見てりゃいい気になりやがって。 いい加減にしとかないとマジで痛い目を見ることになるぜ。
それから。
朝から嫌味ったらしく俺を無視しているそこの元お姫サマ。
いい加減にしろ。
いい加減に機嫌を直せ。
せっかくのオフだってのにこれ見よがしのその態度はないだろう。
なんで俺が謝る必要があるのか未だに分からないし甚だ不本意ではあるのだが、どうしてもというのなら謝ってやる。
仕方ないから買い物にも付き合う。
ドライブにだって連れて行く。
だから、ちょっとでいいからコッチを向け。
いつものように、そこの馬鹿な男どもにビンタでも喰らわせて自分の席に戻って来い。
ヘソを曲げるのもいい加減にしろってんだ。
ーーーーーーーーーもう何時間もフロアで踊りっぱなしでコッチをみようともしないアルフィンにありもしない念力を送り続け、それでももしかしたらと思っている自分にいい加減ウンザリの今日この頃。あーあ。・・・・全くほんとに馬鹿みてえ。
休暇先のクラブにて。
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