| ここのところなんだかひどく疲れていて、何も手に付かなかった。 実際、仕事は忙しかった。 やっている自分で言うのも何だが、こんなやくざな商売がやっていける世の中というのも、それはそれで憂鬱だというものだ。 宇宙の壊し屋、やばいことの方が血が騒ぐというそんなやっかいな男とたちが互いに手を結びあい助け合わそうというその無謀な政策を、ダンはひたすら地道に築こうと努力してきた。でも、なかなか難しい。そりゃあ、そうだ。大体チームメイトの-----クラッシャーは数人レベルでチームを組み活動する------ 男たちだって、眉唾物と決めかけて、協力してるんだか、どうだか。 まあ、いいさ。ダンは言葉にならないようにつぶやく。この先絶対時代を創ってやる。 いつもは冷たいと言われる彼にもまだ少年のようにときめく部分が残っていた。 久しぶりの休みを前に、愚痴言うのも何だし、このまま惰眠に突入しよう。目が覚めればそこは・・・ ダンの心はもうアラミスへ飛んでいた。
エアポートには誰も迎えにでてきていなかった。そりゃあ、そうだ、自分たちが帰国を知らせたのはついほんの30分ぐらい前のことだった。 ダンのチームはまとめて仕事を片づけ、しばらく休んでおのおのの生活を楽しむようになっていた。だいたいの目安はあるものの、ダンのチームはプライベート面ではスケジュール通りになど行動しなかった。今回もその口。思いの外早く仕事が片づいたので、ダンはアラミスでの休暇を提案した。提案などという生やさしい口調ではなく、それは「命令」に近かった。 ダンにはアラミスに妻がいる。まだ結婚して間もないので、「そりゃあ帰りたいでしょうね」とタロスがつぶやき、ガンビーノと、バードが頷く。それで決定した。
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