| それは突然の電話だった・・・
「おやっさん・・・どうしたんですか?急に電話なんか、かけてきて・・・何かありましたか?」
銀河系標準時間で深夜、普通ならこんな時間に電話するなんて よっぽどの理由でもない限り非常識としか言いようのない時間。 そんな時間にアラミスからプライベート回線でタロスの部屋にかかってきた電話。 それもクラッシャー評議会の議長であるダンからの電話・・・ 何かあったと思うのは無理もない話だった。
「いや・・・別に急用とかではないんだが・・」
何か言いずらそうなダンにタロスの方もだんだん心配になってくる。 普段のダンはこのような電話のかけ方はしない・・と言ってもプライベートで電話をもらったという記憶自体ないのだが・・・
「・・・あ・・・その・・・ミネルバではウサギを飼ってるのか?」
「はっ??????」
ダンの言ってる言葉が真剣に理解できなかった・・・ウサギ???なんでミネルバでウサギを飼うんだ??? というか・・・なんでダンがそんな電話をかけてくるんだ???
「えっと・・・おやっさん・・・申し訳ないんですが・・・話がよく理解できんのですが・・」
フランケンシュタインのような顔に困惑という字が書かれている・・・そんな表情の(どんな表情なんだ?)タロスが恐る恐る聞き返す。
「あ〜なんだ・・・ドンゴから、この前メールが来たんだが・・・その内容が・・ アレが青い目のウサギを飼っていて・・」
アレってのは・・ジョウの事だ・・青い目のウサギ???なんだそりゃ ドンゴは一体どんなメールをだしたんだ??
「そのウサギは飼育がとても難しく何でも寂しいと死んでしまうとか何とか・・」
・・・・・ドンゴ・・・お前は・・・なんっていうメールを送ったんだ!!!! そのウサギって・・ウサギって・・・・アルフィンの事じゃねえか!!!
タロスの青白い顔が一瞬赤く染まったが見る見る間に・・顔色がかわり さらに冷や汗までかいている・・・ そんなタロスに気がつく様子もなくダンはさらに続けた
「そのウサギをアレは物凄く溺愛しているらしい・・・というような内容だったんだが・・・タロス?どうかしたのか?顔色が悪いぞ」
「あ〜 う〜・・・・えっとですねぇ・・・」
う・・・なんて応えれば良いんだ・・・
それは単なるドンゴのイタズラです!とキッパリ言えば終わった話なのだが 突然の・・・到底ダンの口からでるような内容ではない話にタロスの頭はパニックになっていた。
「本当にそんなウサギを飼っているのか?」
「飼ってると言うか・・飼ってないと言うか・・・」
「どうなんだ!タロスはっきりしろ! クラッシャーの船でしかもチームリーダーがウサギなんか飼ってるのか?!」
「飼ってま・・・・・せん!えぇ!飼ってません! おやっさん考えてもみてくだせぇ。 ジョウがですよ、ウサギなんか飼うわけがないじゃないですか! だいたいクラッシャーが船でウサギだなんてあるわけがないじゃありやせんか! ドンゴのヤツは何か勘違いしたんでさぁ! まったく・・困ったもんだ一回メンテナンスにださなくちゃダメですなぁ〜 おやっさんに変なメールを送るなんて・・まったく困ったもんです。 あぁ〜さっそく仕事の都合をつけてメンテナンスにだす手続きをいやすから 今回の事は忘れてくだせぇ! じゃあ・・えっと・・あっしは今からドルロィに連絡とってメンテナンスの 手続き等しますんで失礼します。 それじゃあ〜おやっさん今回は本当に申し訳ありませんでした。 いや〜本当にドンゴにも困ったもんだ・・・」
「おい、タロ・・」
ブチッ! 普段のタロスからは考えられないくらい捲くし立て無理やりダンからの電話を叩き切った。
はぁ〜真面目に勘弁してくれ・・・・・・・俺を殺す気か?
なんでそんなメールを送るんだ?ドンゴのヤツ・・・・ジョウに知られたら分解されるぞ・・ダメだ・・眠れねぇ・・
仕方なしにリビングで酒でも飲もうかと部屋をでたタロスは 当直が終わり部屋に戻ろうとするアルフィンと合うことになる・・・ そしてソコで先ほどのダンとの会話を思い出し・・・(青い目のウサギをジョウが溺愛うんぬん・・)必要以上に狼狽し、いらぬ詮索を受ける事になるのだが それは別のお話・・・・本日はここまで お付き合い感謝でございました。
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