| この扉を開けば贈り物を渡したい相手が居る。 快く受け取ってくれるだろうか。びっくりしないだろうか。 ドキドキ 心臓の音が耳に響く。 物資補給のために寄港することが分かったからわざわざ取り寄せたんだ。 本当は実物を見て選べば良かったんだけど暇が無かったんだ。 少しだけ時間を貰って受け取りに出かけてきた。
よし・・開けるぞ
「あら、リッキー 出来上がるまでもうちょっと時間かかるわよぉ」オイラがキッチンへ入るとアルフィンがフライパンを片手に振り向きざまに声をかけて来た。 「今日はねぇ。あんたの好きなハンバーグにしたのよぉ。」 「あ・・あのさ・・アルフィン」声をかけてみる。きっとオイラの顔は赤くなってるだろうなぁ。 「なぁに??」普段の態度とは違うオイラに小首をかしげて尋ねてきた。 「んとさ・・テラでは5月に母の日ってのがあって・・その・・カーネーションを贈るんだって・・。だから・・」そう言って後ろに隠していたカーネーションの花をアルフィンに差し出した。 「いつも怪我した時や具合悪い時、夜中でも様子見に来たりしてくれるだろう。今までオイラそういうの経験なくって・・だから・・んと・・いつもありがとう」 一気にまくし立てちまった。 アルフィンは少しの間目をパチパチさせて驚いたようだったけど 「あらぁ・・私ったらこんな大きな息子のお母さんになっちゃったのねぇ」とクスクス笑いながらも「素敵なプレゼントをありがとう」と言って受け取ってくれた。オイラはやっぱり恥ずかしくって自分の部屋へ急いで戻っちまった。
少し時間がたって夕食に呼ばれた。オイラのハンバーグの上にだけ目玉焼きが乗ってた。兄貴とタロスだ何やら不服そうだったけど「育ち盛りだからサービスよ」とアルフィンがウィンクしてみせた。感謝の気持ち伝わったかな♪
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