| 兄貴の事故からすでに1週間 アルフィンは毎日いろんな思い出の品をもって兄貴の病室に出かけている。
「ジョウ、気分はどう?」
「あぁ・・」
「今日はね前に一緒に行った映画のパンフを持ってきたのよ ほらっこの映画、覚えてる?・・・わけないわよね・・・ 記憶喪失だもんね・・・ははははっ変な事言っちゃった」
「いや・・・」
この何日かずっとこんな会話を聞いてる気がする 辛い・・・はっきり言って辛い 何か変だよ・・・絶対こんなのおかしい・・・ あの2人がこんな会話・・・
100歩ゆずって記憶がまだ戻らない兄貴の態度は仕方ないとしても アルフィンの・・・あんなアルフィンの姿 俺らは知らない、見たくない。
あの日から徐々にアルフィンがおかしくなってる気がする 顔は笑ってるけど本当の笑顔じゃない 無理してるのがよくわかる・・・・
こんなアルフィン見てるの俺ら辛いよ
「ジョウお茶飲む? それとも庭を散歩してみない? 気分が変わって記憶が戻るかもしれないし」
「・・・アルフィン」
「あっ・・・それとも・・・」
「アルフィン! ちょっと静かにしてくれないか」
「ごっごめんね、ジョウ 煩かった?・・・そっそうよね あまり周りでいろいろ言ったら迷惑よね・・・」
「・・・いやっ悪い・・・アルフィンそんなに気を使わないでくれ 別に俺は病人ってわけじゃないんだから・・・」
・・・・・うううううううっ気まずい・・・誰かどうにかしてくれ 俺ら耐えられないよ〜
俺らの祈りが天に通じたようにドアが開きタロスが入ってきた
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