| ほんのり立ち上る湯気。軽く肩に引っ掛けただけのピンクのカーディガン。 あたしはピンクのカップでコーンスープを飲み、ジョウはブルーのカップでコーヒーを飲む。ベッドの背もたれにあたしはゆるりともたれかかり、熱で少しだけ弱ってしまった身体をそれに預ける。 ジョウは、ベッドのあたしの足元近くに腰を下ろし、コーヒーを左手に持ったまま、その右手をあたしの額に伸ばし熱を測った。
もう大丈夫よ熱は下がったから。でもそうだな、ジョウがおでこにキスしてくれたらもっと早く治るかもね、とあたしが言ったら、 ジョウは赤くなりながら、ばぁか、と言った。
「残念。それがあたしにとっては一番の特効薬なのに」
そう言って拗ねたあたしの傍で、ジョウが優しく笑ったので、あたしも嬉しくなってふわりと笑顔を返した。
こんな、
一瞬が、
幸せだな、と思う今日この頃。
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