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■1598 / inTopicNo.1)  今はダメ
  
□投稿者/ シュラ -(2007/10/22(Mon) 23:01:23)
    一仕事終え、次の依頼主の所へ向かう間あたしはジョウの部屋で
    夜を明かしている。愛しい人の腕の中で眠れる嬉しさは何物にも
    代え難い。目覚めると目の前には大好きな顔。こんな無防備な彼
    の姿を知っているのはあたしだけでほしいと願って止まない。
    このままウトウトしていたいけれど朝食の用意がある。シャワー
    を浴びてキッチンへ行かなくっちゃ。喉も渇いちゃったなぁ・・
    部屋付きの冷蔵庫からミネラルウォーターを出し口に含んだ。
    (・・・ん・・・これは・・)


    俺が目覚めると既にアルフィンの姿は無かった。キッチンへ向か
    ったらしい。仕事中はいつも食事は二の次になるから、彼女は仕
    事が一段落するときまってきちんと食事の用意をする。自分も疲れ
    ているだろうにと思いながらエプロン姿の彼女を思い浮かべる。
    身支度を整え彼女の居る場所へ。キッチンを覗くとコーヒーの
    香りが漂っていた。



    「お早うアルフィン」
    「お早うジョウ」笑顔で挨拶を返す彼女につい顔が綻ぶ。
    他の二人が居なかったのが幸いだ。俺のにやけた顔をリッキー達に
    見られたら何言われるか・・さらに俺は二人だけなのを良いことに
    彼女を後ろから抱きしめる格好で腕を回した。
    「ちょ・・ジョウったら・・。危ないじゃないのぉ」
    眉をひそめながら文句を言ってくる。
    「かたい事言うなって。」耳元に声を落としながら彼女の唇を頂こ
    うかと顔を近づけた。


    リッキーとタロスが居ないのを良い事にジョウったら朝から怪しげな
    行動に出ている。あたしってばサラダに使うトマトを切っている最中。
    危ないでしょう・・。文句を言ってみるもジョウにとってはどこ吹く風。
    耳元で囁きながら次の行動へ出ている。でもね・・・今朝は・・


    「今はダメよ。朝ごはんの準備中です」アルフィンがぴしゃりと言って
    のけた。おあずけ状態のジョウ。仕事中はお互いに公私混同はせず、
    与えられた任務をきちんとこなしている。仕事を離れてからも他の二人
    に嫌悪感を与えないよう気を使ってきた。だから二人だけの時アルフィン
    はいつだってジョウの愛情に応えてきた。まさか止められるとは・・。
    (俺・・何かしたっけかぁ?)しつこい男は嫌われるかと思ったのか、
    潔く椅子へと移動する。


    (タイミングまずかったのか?俺は)一人考えているジョウだったが、
    その日からアルフィンへのキスは二日間叶わなかったのである。


    敏腕クラッシャーであるジョウとて人の子、男の子。愛する彼女に断られ
    続けては流石に落ち込むのである。しかも拒まれる理由が思いつかない。
    あっけなく欲求不満状態になったのであった。


    「なぁ、タロスぅ。兄貴の機嫌むっちゃ悪くねぇ?」リビングルームで
    絶対零度のオーラを放ちつつ雑誌を手にしているものの、内容を読んで
    いるのかあやしいジョウ。そんな姿を覗き見るリッキーがタロスへ小声で
    話している。一方のタロスも返答は小声となっていた。
    「大方アルフィンと喧嘩でもしたんだろうさ・・」
    「でもさぁ、アルフィンの機嫌は悪くないぜ」
    「そういやそうだなぁ・・。ま、俺たちは下手に口ださねぇ方が良いだ
    ろうよ。」
    「うん。そうする」リッキーは残っていたジュースを一気に飲み干した。


    ジョウがアルフィン断ち(・・オイ)の日々を送ってから三日目の夜。夜着に
    着替え終えたアルフィンが缶ビールを手にジョウの部屋を訪れた。
    「ジョ〜〜〜ウ、ちょっと飲まない?」何やら凄くご機嫌の様子。
    「何だ。俺を避けてたんじゃないのかよ」こちらは少々不貞腐れ気味のジ
    ョウ。それでも彼女の座るスペースを空けてやる。
    「避けてるように見えちゃってたよね。ごめんねジョウ」ストンとジョウの隣り
    に腰を落とすアルフィン。自ら缶を開けてジョウへ手渡した。すぐに自分
    も冷えたビールで喉を潤す。
    「良く冷えてて美味しいね。ジョウ」
    「あぁ、そうだな」彼女と目を合わせないようにしつつビールを口に運ぶ。
    (ったく・・ )己の理性をかき集めながらどうしたものかと思案する。


    「久しぶりの炭酸、美味しい〜」ぷはぁぁ・・などと音が聞こえそうな様
    子でアルフィンが中味を減らしている。(そういや、ここ数日、飲んで無
    かったよな。炭酸系の物)
    「その事と最近俺を避けてた事と関係あるってのか?」
    「まぁねぇ・・笑わないで聞いてくれる?」
    「聞いてみなきゃわかんねぇだろう。」
    「痛かったのよ。」
    「え???」
    「口内炎が出来ちゃってて。それも2個同時に。刺激物食べたり飲んだり
    出来なかったんだもん」何となく情けないようにアルフィンがここ数日の
    事情を説明した。確かにあれは痛い。
    「サプリメントとか飲んでもすぐに治らなくってぇ。困っちゃったわよ」
    「それでなんだな?」
    「うん。ごめんねジョウ」ジョウの不機嫌さは目に付いていたがどうにも
    ならなかったアルフィン。無事に完治した今日。愛しい人の元へ戻って
    来たのだった。


    「俺はてっきり気がつかないうちに何か怒らせるような事でもしたんじゃ
    ねぇかって心配してたんだぜ」自分の分とアルフィンの分の缶をサイド
    テーブルに置き、アルフィンの肩に手を回す。自分に馴染んだ体温を感じ
    安堵した。「フっ」と小さく笑うとアルフィンが上目がちに覗いてくる。
    (反則だぜ。その目)ジョウはアルフィンの体を一層引き寄せ唇を奪った。
    「我慢させられたからなぁ・・。利子つけて払ってもらうぜ」アルフィン
    を横たえ首筋に顔を埋めながら人の悪い笑顔を作った。


    翌日には上機嫌のチームリーダーと少しだるそうな紅一点の姿がミネルバ
    内で目撃されておりました。




引用投稿 削除キー/
■1599 / inTopicNo.2)  Re[1]: 今はダメ
□投稿者/ シュラ -(2007/10/22(Mon) 23:04:49)
    No1598に投稿(シュラさんの小説)
    えー今回書きたかったもの

    姫を後ろから抱きしめ耳元で囁くJさん
    久しぶりに「黒」加減なJさん   

    以上2点でした。お目汚し失礼いたしました
fin.
引用投稿 削除キー/



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