| 四百四十光年の旅は終わった。 修理の終わったミネルバはミランデルから飛び立った。 久しぶりの宇宙に四人は浮き足立っている。
「しっかし、四ヶ月足止めとか、結局タナールはとれなかったりとか、困ったおまけがついた仕事だったよなぁ」 リッキーが自席で伸びをした。参ったと言いつつ声は明るい。 「違いねぇ。俺達は報酬が支払われればいいってことだ」 タロスがアルフィンからコーヒーのカップを受け取りながら言った。 「ホントよ。終わりよければ・・・・なに?ジョウ」 「んん?いや、なんでもない」 ジョウは慌ててコーヒーを音をたててすすった。 「あちち」 コーヒーカップで顔を隠すようにしてアルフィンを盗み見る。
あの時、アレナクイーンでアルフィンと再会してからだって、絶体絶命かと思われるような命の危機は何度もあった。 アレナクイーンに彼女を乗せると決めたときよりも、ずっとあの後のほうが彼女を危険にさらした。なのにあれほどの焦燥感はなかった。 それは多分。 チームのなかの紅一点だからとか、経験が浅いからだとか、おとりにするのがどうだとか、そういうことではないのだ。 他の誰にも触れさせずに、自分が、この手で。 彼女を。
この感情は、多分・・・きっと・・・・・
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