| むぅぅ・・やっぱりやられた。夕方から出かけるから加減してって言っておいたはずなのになぁ。・・ったく。ジョウってばこう言う所が「お子様」だってのよ。
あたしは起きてから鏡の前で溜め息を一つ。 今あたし達は休暇中。綺麗なビーチのある惑星にコテージ風のホテルを借り羽を伸ばしているところ。今回はたまたまクラッシャー仲間が同じ所に泊まっていたの。その中の女性クルーがちょくちょくメールとかで 話をしているシャーリーだったから今夜は二人でご飯食べに行く約束を取り付けたの。たまには女同士でゆっくりおしゃべりしたいもんねぇ。その為に昨日から着ていく服とかアクセサリーとか選んでおいたんだもん。二人でおしゃれして街へ行こうって。それなのに・・ジョウったら。
前日の夜・・・ 「本当に明日はシャーリーと二人だけで平気か?物騒な場所に入り込んだりするなよ。」ジョウはあたしの髪を指に絡ませて遊んでいる。 「大丈夫よ。子供じゃ無いんだし。ちゃんとガイドブックにも載ってるお店だし 何も心配いらないわよ。」 ジョウはベッドの上でもまだ心配してる。その店まではホテルから直接車を出してもらっていく予定なのだから何の心配があるっていうんだろう。 「俺が心配してるのは『女同士』って事だよ。」 「それがどういけないの?普通でしょう。お友達同士で出かけるのって。」 あたしはジョウの腕に頭を乗せ顔を見上げた。 「君たち二人で居たらヤロー共が放って置くもんか。」そう言ってジョウはあたしを抱き寄せた。どんな顔をして言っているのか見てみたかったけれどジョウの腕の力が強くって叶わなかった。 「ジョウったら心配のしすぎよ。あたしが他の男に目が行くわけ無いじゃない。宇宙一の男がこうして居てくれているのよ。」あたしもジョウの背中に腕を回して力を込めた。 「それに、女同士って言ったってあたしたちクラッシャーよ?護身位できると思うけどなぁ。ま、流石に武器は持ち込めないでしょうけどね」 「うーーーん。そりゃ、そうなんだろうが・・な・・。」ジョウは自身の頭をガシガシっと掻き乱した。 「俺はアルフィンが傍に居ない事のほうが少ないからどうしても気になっちまうんだ。目の届かない所に行かれるのは慣れて無いからな。」 「言われて見ればそうよね。でも、本当にあたしを信用してよ。気分良く送り出して欲しいわ。」あたしはジョウに被さる様にして唇にキスを落とした。離れようとしたら今度は体勢を逆にされた。 「出かける前に俺のモンだって印つけて置くことにするさ。」ジョウの瞳が光を増してあたしの首筋に甘い痛みが走った。 「ちょっ・・!ジョウ明日洋服着れなくなっちゃうような事はやめてよぉぉぉ?」 「そんな抗議できないようにしてやるよ。」 「や・・ん・・。ほん・・とに・・こ・・まる。・・からぁ・・」
そして冒頭へ つけられた・・しっかりと。鎖骨の辺りに2個。紅い花が咲いていた。 首だったらスカーフ巻けば隠せたけど・・。この場所は難しいわ。確信犯よねきっと。出かけるまでにはまだ時間がある。まずは温めてうっ血を改善させてっと・・ 出来る限りの事はやってやるわよ。絶対にお気に入りの洋服を着ていくんだから。 膝丈のワンピース。形は凄くシンプルだけれど素材の良さと襟元の開き具合が上品な感じで開いていて人目で気に入ったの。
更に時間は経過して・・ アルフィンはご機嫌で外出の準備をしていた。予定通りの支度をして。
「ジョウ、行って来るわ。帰りも車を使って帰るわね。」 「あぁ・・。もう時間か。」雑誌からアルフィンへ視線を移したジョウは一瞬動きが止まった。 「どう?似合う?」勝って来た時に一度ジョウに見せていたが実際に着て見せたのは今が始めて。 「もちろん。似合ってる。」ジョウったら少し動揺してる。視線が目元に行ってる。だってこれが着れない様にするつもりだったんでしょう? 「遅い時間になると思うから先に休んでて〜。じゃぁね♪」ジョウに手を振ってあたしは部屋を出た。
(・・・アルフィンのやつ・・。もっと露出の少ない服にすれば良いのに。ってか、すっかり消えてたよな。俺がつけたはずのキスマーク。少しは俺の気持ちにも気づけよなぁ。男心に疎いのにも程があるぜ。)ジョウは雑誌を放り出しソファへ沈んだ。
(んふふ♪上手く隠せたわぁ。さっすが新製品のファンデーション。もっと早くこれを見つけていればなぁ。でも、今日に間に合ったから上出来ね。)あたしは先日雑誌で見つけたカバー効果絶大のファンデーションを取り寄せしていたのだった。 (いつもやられっぱなしじゃ無いのよ。ジョウv)
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