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■1719 / inTopicNo.1)  たった一つの輝ける星
  
□投稿者/ MIO -(2008/09/15(Mon) 15:36:58)
     初めてだった。
     記憶に、ある限り――。
     抱き締めてくれた。
     あたしの力を知っても、優しく頭を撫でてくれた――。

     そんな人、いなかったよ。本当に、いなかったんだよ――。
     悲しいと思って泣いた事は、たくさんあった。数え切れないほど、たくさん、たくさん――。

     でも。
     嬉しい時にも泣きたくなるなんて、あなたに会って、あたし、初めて知ったんだよ――。

     大好きなあなた。
     あったかいお日様の光のような、綺麗に透き通るサラサラの金色の髪。
     絵本に出て来るお姫様みたいな、とてもとても綺麗な顔――。
     こんな綺麗な女の人って、見たことない。
     抱き上げられて逃げる最中、恐いオジさん達に追われているのに、あたしはそんなことを思ったりしたっけ――。

     泣かないで、アルフィン。
     あたしね、嬉しいの。

     両親に嫌われて以来、初めて好きだと思った、たった一人のあなたの為に、役に立てたことが本当に嬉しいの。
     生きてて良かったって、生まれて初めて、思えたの――。

     綺麗なアルフィン。
     優しいアルフィン。
     超能力なんか使わなくっても、その心がすぐに判ってしまう、誰よりも真っ直ぐな心を持つアルフィン…。

    「ソニア、しっかりしろッ!」
     アルフィンの大好きなジョウが、あたしの手を把る。おっきい手だね。おっきな手で包まれると、こんなにいい気持ちになるんだね…。

     ホントは言わなくてもいいことなんだけど、何故だか口が勝手に動く。
    「ジョウ…。アルフィンをたいせつにするのよ」
     とても苦しいのに、笑って言えたことが嬉しくて。
    「あたし、あなたたちに会えて、本当に良かった」
     心の底から、言葉が湧いて出た――。

     アルフィンが、あたしの名前を呼びながら、顔をすり寄せてくる。
     ――あったかい。あったかいよ、アルフィン。でもどうか、そんなに泣かないで――。

     …眼が、かすむ。あたしの命が、終わりかけてる………。

     …言ってあげなくちゃ。
     アルフィンが、綺麗な見掛けからは判らない、本当の勇気を持っているアルフィンが、それなのに怯えて聞き出せないでいる、愛する人の本心を――。

    「アルフィン…。ジョウはあなたをあ…」
    「ソニア――!」   

     アルフィンとジョウが、あたしの体を抱いている。泣いて、いる――。
     あたしは宙に浮いて、ぼんやりとそれを眺めている――。

     …ごめんね、アルフィン。
     最後まで言えなくて――。

     でも。
     でもね、アルフィン。
     近い将来、あなたはきっと知るはず――。
     ――あなたの愛する人の胸の中は、あなたへの想いで一杯だってこと――。
               
     なんだかふわあと、溶けていきそう…。
     あの世とか言うところに、行くのかな…。  
     あの世って、みんなが言ってたみたいに、本当に神様がいるのかな…?

     …ねえ。
     もし、本当に神様がいるのなら――。

     お願い、聞いてくれませんか――?

     あのね…。
     今度生まれるとしたら、あたし、アルフィン、の………。



    fin.
引用投稿 削除キー/
■1720 / inTopicNo.2)  Re[1]: たった一つの輝ける星
□投稿者/ MIO -(2008/09/15(Mon) 15:46:08)



    S「彼氏に生まれたい(ポ)」
    J「そっちかよッ!」



    …スミマセン、嘘です(笑)。
    気の毒キャラ応援SS第二弾、ソニア編です。
    真面目な話、ソニアが姫Jの子供として転生したらいいのになと思ってます、ハイ。

fin.
引用投稿 削除キー/



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