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■321 / inTopicNo.1)  スペシャル・デイ(?)
  
□投稿者/ まぁじ -(2002/11/25(Mon) 10:40:24)
    <まえがき>

    こんなBDもありかな〜と、当事者よりも外堀から攻めてみました。
    んが、書き上げてみたらめちゃくちゃフラットな構成。
    駄スレ伸ばすだけかも。。。と思いつつ、書き逃げご免です。いいのか?

引用投稿 削除キー/
■322 / inTopicNo.2)  Re[1]: スペシャル・デイ(?)
□投稿者/ まぁじ -(2002/11/25(Mon) 10:41:38)
     漆黒の闇に無数の星が瞬き、ぽつりぽつりとコロニーが浮かんだ宙域に。低い加速で、のったりと漂う<ミネルバ>がいた。そのブリッジでは。主操縦席に就くタロスと、副操縦席に就くリッキーが、何やらこそこそと会話を交わしていた。
    「あと8時間しかないんだぜ。これじゃアルフィンにどやされちまう」
    「とはいえ、テーマのハードルが高けえ」
     実はさっきから、ある程度会話をすると振り出しに戻る。これをもう7回ばかり繰り返していた。それだけ、2人には大きな難題が課せられていた。
    「“とびっきりの誕生日プレゼント”だもんな。兄貴の場合、普通を考えるんでも大変だってのに」
    「まあ二十歳って区切りだからな。気持ちは分からんでもねえが」
    「こっちの身にもなって欲しいや」
     11月8日は、ジョウ二十歳の誕生日。祝い事が、国民的行事でもあったピザン育ちのアルフィンが仕切っている。彼女の場合、すでに銀河標準時間で、半月も前からこのビッグプロジェクトに取り組みはじめていた。
     あれやこれやと、ジョウのために思案する。それが楽しくてしょうがない。そんなムードをずっと漂わせていた。アルフィンがご機嫌なのはいいことだ。<ミネルバ>での生活に、平和が約束されているようなものである。
     しかしながら、ムードに巻き込まれてしまうと状況は一転する。
     タロスやリッキーにも、アルフィンは、誕生日プレゼントを考えるようにとリクエストしてきた。しかも“とびっきり”という部分は絶対要素。祝うのはいいが、その部分に関しては2人にとってプレッシャーだった。
    「そもそもさ、兄貴って何を悦ぶんだい」
    「難儀だねえ……」
     丸太のような太い腕を、タロスはぎゅうと組んで見せた。
     自然と渋面もつくられる。
    「タロスの方が、一緒にいる時間は長いんだぜ。なんかないのかよ、コレっていうもん」
    「……仕事、かねえ」
    「あちゃあ」
     それはリッキー自身がご免被りたい。やっと長い任務から解放され、ささやかな休暇を満喫している最中だからだ。
    「筋金入りのクラッシャーだからよ、仕方ねえ。やばい状況になるほど、生き生きしてやがる」
    「けど、そう考えるとさ。兄貴って結構、つまんない青春送ってんなあ」
    「世間一般の同世代と比べちまうのは、ちと、気の毒ってもんだ」
     クラッシャーに人生を預けたタロスとしては。それはそれで、幸せなことであると知っている。ただ、いち青年として考えれば、確かにジョウの青春期は華がなさすぎだ。
    「……となるとさあ、やっぱ」
     リッキーは指で、鼻先を擦る。
     そして、にんまりと笑みを浮かべた。
    「男にとっての“とびっきり”と言ったら……」
    「……アルフィンか」
     タロスもにやりと笑いを返した。

    「結構、長いよな。兄貴とアルフィンの宙ぶらりん関係」
    「そろそろ2年になるんじゃねえか」
    「アルフィンはあの通りだろ? で、話が進まないってことは、兄貴が原因だよなあ」
    「そっち方面の度胸がねえか、きっかけがねえか」
    「……案外さあ、俺ら達の知らない所で、まとまってたりして」
     くくく、とリッキーは愉快そうに笑う。
     しかしタロスの顔は、苦虫を噛んだように歪んだ。
    「そいつはどうかねえ。この間、アルフィンがシャワールームで大騒ぎしただろ」
    「ああ、あれかい。噴水みたく、派手に水漏れしたやつ」
    「バスタオル一枚で飛び出してきた姿に、ジョウはかなりびびってたからなあ」
     あの程度の露出で、あのうろたえようでは。
     タロスは腕を組んだまま、やれやれ、といった様子でゆっくりかぶりを振った。
    「……バスタオル一枚は、俺らも身に覚えがある」
     エマージェンシー・シップでピザンを脱出したアルフィンを、<ミネルバ>で回収した時が思い出される。それが出会い。救出されたアルフィンの最初のお願いは、お風呂に入りたい、であった。その面倒をリッキーが一手に任された。
     あの時のアルフィンの可憐さは、リッキーは今でも覚えている。それがここまで、がさつなクラッシャーに染まってしまうとは。天地がひっくり返るとは、まさにこのことだとも思う。
     そして、ジョウやタロスは忘れてしまったかもしれないが。最初にアルフィンに食いついたのは、リッキーでもあった。
     今はそれすら、懐かしい。
    「まあ、俺が睨んだところだと……。ありゃまだ“ちゅう”もねえな」
    「うっひゃあ! 鋭いとこ突っ込むね、タロス」
     ぺらりと右手を、頬に当てた。
     思春期真っ盛りの16才。こういうどきどきさせる話題は、大いに歓迎なリッキーだった。
    「けどさあ、兄貴って色男じゃん? アルフィン以前に、何もないってことないだろ」
    「うーむ」
     タロスは口元を真一文字に結ぶ。そして、ちらりと上目遣いをしてみせた。
    「……それらしい動きは、俺も見たことがねえ」
    「ほんとかよ!」
     リッキーのどんぐり眼が、信じられない、とでも言う風に見開いた。
    「10才の頃からよ、女の依頼人からはやたらと気に入られたんだがな」
    「年上に好かれんのは、今もおんなじじゃん」
    「言われてみりゃ、そうさな」
     いずれにせよ、羨ましい悩みに変わりはない。
     するとリッキーが、ぱちんと指を鳴らした。
    「そっか。年下の女の子は、アルフィンが初めてなんだ」
    「男の方がイニシアチブを握らねえと、にっちもさっちも行かねえ訳だ」
    「……すでにアルフィンの方が、振り回してる感じあるけどね」
    「いや、そうでもねえな」
     タロスは、軽く口端を上げた。
    「アルフィンはあれでいて、肝心な所はジョウに託すとこがある。押し掛け女房の割にゃ、男を立てるって心構えがあんだろ」
    「惚れた男限定だけどね」
    「……だな」
     2人の会話は、ジョウのプレゼント内容から徐々にずれはじめている。こっちの方が話が弾む。会話の寄り道をしているうちに、名案が浮かぶかもしれない。暗黙の上での脱線だ。


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■323 / inTopicNo.3)  Re[2]: スペシャル・デイ(?)
□投稿者/ まぁじ -(2002/11/25(Mon) 10:43:20)
     そして実際に。
     リッキーの口から具体的なアイデアが出始める。ようやく会話の軌道は、元に戻り始めた。
    「物欲がない兄貴だもんな。となると、“記念すべき思い出”ってのはどうだい?」
    「カタチのねえプレゼントか。粋な演出だ」
     タロスも乗り気になる。
     すこぶる納得という様子で、何度も頷いた。
    「たださあ、ひっかかるといえば……。アルフィンばっか、“あげる”ってことになるね」
     つまり男2人は、なんの投資もなく成し得てしまうということだ。それではかなり立つ瀬がない。そういう意味でリッキーは言った。
     だがタロスは、組んだ腕を解き、右手で空を握った。
    「そうでもねえだろ。アルフィンにしてみりゃ、ジョウをとっ捕まえることになる」
    「あ、そっか。じゃあ問題なしか」
    「ねえな。ノープロブレムってやつだ」
    「いいこと言うねえ、タロスも。だてに年は食ってないや」
    「……ケツについた言葉は余計だ」
     口調にトゲはあるものの、2人は顔を見合わせてにやにや笑った。
     年齢が大きく離れていても。企みごとに関しては、ぴたりと息が合うコンビだった。
    「てことはよ、お膳立てってやつを何にするかねえ」
     タロスは悠然とした仕草で、顎を撫でてみせた。
    「だってさ“ちゅう”もまだの2人だぜ。デートからじゃないのかい?」
    「そりゃ随分と甘っちょろい。そもそもデートなんてのは、あの2人はたまにやってる」
    「……そうだった。“記念すべき思い出”ってほどじゃないね」
    「“とびっきり”にも、からきし届かねえ」
     副操縦席にあぐらをかくと、ふうむとリッキーは拳を顎にあてた。
     むむむという顔つきで、小さな脳みそをフル回転させる。そしてはたと、表情を明るくさせた。
    「こんなのはどうだい? 近くの惑星で、最高のスイートルームなんかにさ、2人を監禁しちまうのさ。今までダラダラしてきたんだ。いきなりクライマックスってのも、ありだよな」
    「ばーか」
     見下すような目線で、リッキーを嘲笑する。
    「いきなりデザートを食えってのかい。やだねえ、ガキは」
    「だってさ二十歳なんだぜ。早いに越したことないと思うけどなあ、俺ら」
    「おめえは分かっちゃねえ」
     タロスは、こきこき首を鳴らす。
    「ド・テオギュールの件で、ジョウとアルフィンはテラで一泊してる。しかもハネムーンを装ってだ。……が、なーんにもありゃしねえ」
     そういえばそうだった。確かあの時は、とことん新婚夫婦を装うことで、ど派手なピンクの戦闘艇で潜入したのだ。しかも一晩共に、下手すれば明日の命はないという状況。
     ところが無事戻ってきた2人の様子は。何ら変わりがなかった。その後から今日まで、アルフィンがジョウを追いかけているという生活が続いている。
    「がっつかずによ、じっくりオードブルから楽しませてやらねえと」
    「そんなことしてたら、誕生日終わっちまうよ」
    「だっからおめえはタコなんだ。誰が何日もかけるなんて言った」
    「じゃあどういう意味さ」
    「誕生日まるまる、たっぷり使えってこった」
    「……なんでえ。それも結局、いきなりクライマックスじゃん」
     勿体ぶった割には、タロスもリッキーと同意見。つまり結論が出たということだ。ならばそのお膳立ての準備にかかればいい。
     すかさずリッキーは、立体表示空間スクリーンのボックスシートに移る。ギャラクティカ・ネットワークを使い、近場で、最適な場所を探し始めた。

     コンソールのキーを叩き、メインスクリーンの下部にある、小型スクリーンに映像を送った。でかでかとメインスクリーンには送信できない。不意にジョウもしくはアルフィンが現れた場合、誤魔化しが効かなくなる。
     アルフィンにも、こんな計画を露骨に知らせる訳にはいかない。あくまでも、さりげなく。そして誕生日を2人きりで迎えた後も、何事もなかったように出迎えてやる。そこでタロスは一計を案じ、リッキーに口裏合わせした。
     2人にそれぞれ用事を言い渡し、<ミネルバ>から出かけさせ、同じ場所へと誘導する。そして、用事を何らかの形で取り消す。すると出先で自由時間が生まれ、しかも今はささやかでも休暇中。自然と気分もおおらかになる。
     あとは何の手はずをつけなくても、あの2人はあの2人で、好きなように時間を過ごすはずだ。それはもう、タロスの厳つい目つきにも、リッキーのどんぐり眼にも、ありありと浮かんでくる光景でもあった。
     “とびっきり”の“記念すべき思い出”のために最低限必要なのは。落ち合うときのシチュエーション。アルフィンに対し、いまひとつ及び腰なジョウである。その背を一押しだけしてやれる、最適な場所を探せば完璧だった。

    「すっげえや、これ」
     リッキーの両眼がきらきらと輝いた。
     正確にいえば、ぎらぎらと好奇心をむき出しにしているのだが。
    「こりゃ随分とレトロだな」
     検索した映像は、メモリアルホテルと呼ばれる施設の内装。いわゆる、いきなりデザートにふさわしいブティックホテルの映像だった。致し方ない。16才の思春期。そういう興味もすくすくと育つ時期だ。
     そしてタロスにレトロと言わせた内装は、室内の半分がミラー貼り。ご丁寧に天井も同じつくりだ。でん、と室内の脇に据え置かれたベッドも、円形である。ワルツでも踊るかのごとく、ゆったりと回転もしていた。
    「おめえもよ、ちったあ女心ってのを分かってやんな」
     まずこんなホテルの門構えでは、アルフィンはくぐることすらできない。ジョウはクライアントの密会として、指定されればどこででも出向くだろうが。こんな場所で用事を取り消せば、いたたまれなく脱出してしまうことだろう。
     2人の間に、いきなりぎくしゃくとした空気が生まれることは明らかだ。
     リッキーの検索では駄目だと、タロスが代わりにキーを打ち直した。小型スクリーンに、また別の映像が映し出される。
    「なんだかなあ。こんなんじゃ、神経疑っちまうよ」
     駄目出ししたのは、リッキーだった。タロスが検索した映像は、テーマパークである。しかしながら、アトラクションの内容、施設のつくりから、対象年齢は恐らく0〜10才。園内のライブ映像を見ても、ファミリー向けだった。要するに子供過ぎるのである。
    「俺らが探す!」
    「おめえに任せてたら、時間ばかり食って無駄だ」
    「タロスより俺らの方が、兄貴と年が近いんだぜ。感覚はずうっと近い」
    「精神年齢は、俺の方がジョウと近いんだ」
     コンソールの前で、2人はいさかいを始めた。ジョウの誕生日プレゼントの会話をはじめて、すでに1時間と少しを切った。あともう6時間強しかない。
     さらに、最適なシチュエーションを演出する場所の選定が、時間的にも難しくなっていた。


引用投稿 削除キー/
■324 / inTopicNo.4)  Re[3]: スペシャル・デイ(?)
□投稿者/ まぁじ -(2002/11/25(Mon) 10:44:07)
     キッチンから、鼻歌が聞こえる。そしてふんわりと、甘い香りも立ちこめている。
     アルフィンはジョウのために、バースデーケーキをこしらえていた。
    「焼き上がりも完璧だわ」
     シンクの下のオーブンから、焼きたてのスポンジケーキがのぞいた。ほわほわと湯気がくゆらぐ。手作りのケーキというだけでも、男所帯の<ミネルバ>なら華やかな演出だ。だがアルフィンは凝り性である。その上今回の目的は、ジョウのため。
     普通の素材をかき集めて作るだけでは、物足りない。素材そのものから、入念な下ごしらえをしていた。ネットワークショッピングで、1つずつ素材を吟味し、卵1つにしても“とびっきり”と判断した惑星から取り寄せた。
     そしてバターやジャムといった加工品は、アルフィン自身がつくった。専用の器具まで調達して、何から何まで本物志向にこだわる。任務の合間に、疲れた目を擦りながら仕込んだ品もある。たった1つのバースデーケーキをつくるのに、半月もの期間を要しても足りないくらいだった。
     もちろん、プレゼントはこれだけではない。二十歳といえば大人の男。アルフィンはジョウのために、最高級の糸で織り上げたオーダーメイドのスーツも取り寄せていた。
     実際のところ、それに何度袖を通せるかは分からない。ジョウは、クラッシュジャケットの方が身体になじみ過ぎている。着る機会すら少ない。
     しかしながら、こうした正装を一着も要していないのは考え物だ。大人の男の身だしなみとして、クローゼットにあるだけでも違う。ジョウ自身はきっと誂えないものだけに、アルフィンが気を回すことは当然でもあった。
    「さてと。ドンゴ、あと1時間したらリビングを閉鎖してちょうだい」
     アルフィンの背後に、アシスタントのように強制連行されたドンゴがいた。アルフィンの命令は、<ミネルバ>の中では影響度が低い。ジョウの命令が最も高く、絶対的なだけに。あらかじめ捕獲しておかないとアシスタントを頼めなくなる。
     そしてドンゴは従順で正確なロボット。リッキーよりもずっと扱いやすいのだ。
    「キャハ。理由ハ何ニイタシマショウ」
    「なんでもいいわよ。嘘っぽくない理由で、さりげなーく誰も入れないようにしてね」
    「検討イタシマス」
    「こっちはもういいから。きっかり1時間後にリビングを閉鎖できるよう、準備してて頂戴」
    「カシコマリマシタ。キャハハハハ」
     キャタピラをしゃらしゃら鳴らして、ドンゴはキッチンを去っていった。
    「まずケーキを冷まして、これと、あれと、こっちの下ごしらえ……。ピッチ上げなくっちゃ」
     ジョウをお祝いする時間が着々と迫ってきている。それがもう嬉しくて仕方がない。うふふふふ、とアルフィンは両の拳を口元に寄せた。
     気がケーキづくりに注がれていたために、周囲への配慮はまったくのゼロ。敏感でなければ感じない人の気配など、察する余地などなかった。

    「そこにいるのか、アルフィン」
    「きゃあ!」
     ジョウの声だ。
     アルフィンは慌てて、ずらりと広げられた調理器具にクロスをかけた。
    「だ、駄目! こっち来ちゃ」
     通路の角を折れると、キッチンがある。その境目で、ジョウは停止を言い渡されてしまった。一応、言われた通りにその場で歩を止める。
    「随分といい匂いがするな」
     ジョウは壁際から顔だけ出し、呑気な口調で問いかける。
    「た、食べ物なんかじゃないわよ」
     アルフィンはキッチンから離れ、ジョウの元に小走りで近寄った。身体で視線を遮るためでもある。
    「さ、最近ね、手作り化粧水とか、手作りパックとか。はやってるのよ」
    「作ってるのは、それかい?」
    「そうなの」
    「……の割には、随分と甘ったるい匂いだな」
     少し天井を仰ぎ、くん、とジョウは鼻を鳴らした。
    「フ、フルーツとかの天然素材も使ってるから」
     アルフィンは必死で取り繕う。するとジョウは、その顔に視線を戻す。そしてじっと見つめた。
    「な、なに?」
    「……いや、別に」
     くすりとジョウは笑ってみせる。アルフィンにはそれが、少し引っかかったのだが。今はそれに構ってはいられない。なにせ1分1秒でも惜しい状況だ。
    「……で、何か用? あたしすっごく忙しいんだけど」
    「そのようだ」
    「あれね、手早くつくらないと、台無しになっちゃうの」
    「じゃあ、出直すとするか」
     ジョウは片手を軽く上げると、きびすを返そうとした。ちょっと邪険にしすぎた。そんな気がアルフィンの胸中を過ぎる。
    「もしかして、とっても緊急?」
    「いや、アルフィンの肌のお手入れほどじゃない」
    「あ、あのね。一段落したら時間できるから」
     碧眼をちらりと上目遣いにしてみせた。何気ない仕草なのだが。その顔を見ると、ジョウは反射的に笑顔がこぼれるようになっている。
    「そしたら、いっぱい時間あるから」
    「……了解。用件っていうのも、それをちょっと訊きたかっただけだ」
     優しいまなざしで、アルフィンを見返す。どきりと、赤いクラッシュジャケットの胸元が跳ねた。なんだか今日のジョウは、少し違う。悠然と落ち着き払っていて。それはいつもそうなのだが、今日は少し違うものも漂っている。
     二十歳になった、大人のムードとでもいうのだろうか。アルフィンは敏感にそれを嗅ぎ取ってもいた。
    「それじゃ、邪魔したな」
     ジョウは軽く片目をつぶってみせると、静かにその場から離れていった。その背中が視界から消えるまで、アルフィンは立ちつくしている。
    「……なにかしら」
     誰に言うともなく、唇から感想が洩れる。
    「変な胸騒ぎがするわ」
     片手で胸元を抑えた。まだ、どきどきしている。取り立てて変わったやりとりではなかったのに。アルフィンは小首を傾げながらも、気を取り直すことにする。
     再びキッチンに戻った。そこで異変に気づく。
    「あ!」
     オーブンの扉を開けた。スポンジケーキが、炭化しかけている。焦げ臭い匂いが、足下に溜まっていた。余熱モードを切るタイミングを、すっかり逃していた。
    「やだあもう……」
     失敗だ。“とびっきりの失敗作”ができあがってしまった。しかしここで諦めるわけにはいかない。厳選しつくした材料はまだ残っている。急げば誕生パーティーのセッティングに間に合わせられる。
    「胸騒ぎって、これだったのね」
     ぶつぶつと呟きながら、アルフィンはまた最初から作業を始めた。小麦粉をふるうところから始める。ボウルから粉が舞い上がり、顔にかかった。白粉を塗り重ねたようになってしまう。
     さっき以上に。
     つまりもともとアルフィンの顔は、小麦粉にまみれていた。だからすでにジョウにはばれていた。キッチンでつくっていたものは、手作り化粧品ではないことを。


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■325 / inTopicNo.5)  Re[4]: スペシャル・デイ(?)
□投稿者/ まぁじ -(2002/11/25(Mon) 10:44:59)
    「やばいなあタロス。また予約満杯だってよ」
     小型スクリーンの表示を見て、リッキーはため息をついた。ここらの宙域にあるコロニーの、めぼしい宿泊先は連敗が続く。
    「ちっとばかし、アクセスを始めるのが遅かったか」
    「圧倒的に数が少ないんだもんな、こういう小洒落たホテルって」
    「コロニー時間だと週末ってこともネックだ」
     こうなると、金に物を言わせるしかない。タロスはそんな強引な方法を考えていた。リッキーとの協議の上、夜景やマジカルイベントなど、余興を織り交ぜていることを大前提に決めた。そしていやらしさを全く伴わない、ハイクラスのホテル。
     うっとりとするような甘い演出は、2人の行動にお任せしようと。ある意味、定番中の定番が、“記念すべき思い出”にお誂え向きだと踏んだ。
     しかし行動が遅かった。仕事ではこんなことはまずありえないが。不得手な事柄に関しては、クラッシャーといえどもミスはおかす。
     そもそも、ジョウとアルフィンを動かす時間も必要だ。努めてさりげなく、<ミネルバ>から放出させるためにも。落ち合わせる場所を特定しなければ。作戦すら立てられない。
     刻々と時間が迫っている。
     恐らく準備が最も忙しい時間に、アルフィンはいる筈だ。下手すると、あんた達が代わりにやってよ、ととりつく暇も与えてもらえなくなる。
     やはり相場の3倍くらいを、ぽんと弾むしかないか。その助言をリッキーに伝えようとした。
     すると。
     ブリッジの後方のドアがふいに開いた。
    「タロス」
     ジョウの声だ。
    「あわわわわわ!」
     リッキーが慌てて小型スクリーンの映像を切る。立体スクリーンのボックスシートに、乗り出していたタロスは首を向けるだけで精一杯だった。やべえ。普段から顔色の悪い相貌が、幸いしてはいたが。突然の登場に、焦りがピークに達する。
    「ど、どうしました」
     声がいささか上擦る。ジョウは特に気にも止めない様子で、つかつかと歩み寄ってきた。
    「飛び込みが入った。俺はこれから打ち合わせに行って来る」
    「へ?」
     タロスとリッキーは声を揃え、互いの顔を見合わせた。
     飛び込みだと? 2人の折角の企みが、ここでジ・エンドとなる通告だ。

    「ど、どっからの依頼ですかい」
     顔の半分をしかめたまま、タロスは問い正す。
    「この宙域の第3コロニーだ。本部からの特令でな、近辺をうろついてるのは俺達だけだそうだ」
    「なんだよ、簡単に引き受けちまったのかい!」
     リッキーがボックスシートから立ち上がる。お祝いの当事者ではないのだが、腹立たしくもなる。そもそも今は休暇中。前の任務の忙しさを知っている本部であれば、もう少し気を配ってくれてもいい筈だ。そういう不快感を露わにした。
    「依頼の内容によるがな、それまでお前達達はゆっくりしてていい」
     とはいわれても、誕生日の当事者自身が仕事とあっては。気が利かない本部ならば、せめてクルーだけでも配慮してやりたい。だからタロスは口を挟んだ。
    「今回は、あたしが話を聞きにいきやす」
    「なぜだ」
    「いえ、ジョウも前の任務で大分お疲れかと……」
    「それを言うなら、タロスの方がたっぷり休養をとった方がいい」
     ジョウはふっと笑みを洩らすと、コンソールにあるインターコムのボタンを押す。
    「アルフィン」
     しばらくして返事が返った。なによお、というやや不機嫌さが滲んでいる。今まさにケーキ作りに大奮闘。手を止める間も惜しいのだ。
    「打ち合わせだ。出かける準備をしてくれ」
    「ええっ?!」
    「依頼人が少し神経質な女性でね。ワンクッション置くためにも、一緒に来て欲しい」
    「そんなあ!」
     半べそをかいたような声を上げる。それを聞いたタロスとリッキーも、やれやれ、と肩をそびやかした。半月ものアルフィンの計画も、これでおしゃかになる。
     まさかこんな形の“とびっきり”な失敗に終わろうとは。下手に珍しいことをするものではない、というお告げにも思えた。
    「タロス、<ファイター1>で出る。あとは頼んだぞ」
    「へ、へい」
    「兄貴ぃ……」
     ジョウの後ろ姿を、2人は呆気にとられた様子で見送った。ブリッジの扉がすべての企みを遮断するかのごとく、無情に閉じる。ジョウにとってはやはり、仕事が“とびっきり”のプレゼントなのだろうか。そんなことが、ふと2人の脳裏をかすめていた。
     タロスはのっそりと主操縦席に戻り、<ファイター1>射出の準備をした。アルフィンからの提案は、確かにハードルは高かったが。実行できなくなると、少し悔いが残る。“とびっきり”にこだわりたかった気持ちも、余計に理解できた。
     なにせ自分の誕生日であっても、ジョウは今日もまたこうして、仕事に打ち込む。二十歳早々、またもや色気のない青春期を送りそうな出だし。この稼業ゆえに致し方ないことは重々承知だが、気の毒だねえ、と思わずにはいられなかった。
     そして素早くも<ファイター1>は、漆黒の宇宙空間に飛び出した。あっという間に、星屑達と同じ小さな光点となっていく。
     それを見送ったタロスの手元の下、コンソールデスクから。
     外部からの着信を知らせるチャイムが鳴った。


引用投稿 削除キー/
■326 / inTopicNo.6)  Re[5]: スペシャル・デイ(?)
□投稿者/ まぁじ -(2002/11/25(Mon) 10:48:52)
     <ファイター1>は、一路、第3コロニーへと向かっていく。ジョウの左隣、コ・パイのシートで、アルフィンはずっと頬を膨らませていた。
    「いい加減、機嫌を直してくれよ」
    「だって、今回は最悪の飛び込みだわ」
    「そうでもないぜ」
     ジョウは軽い笑みを浮かべた。そしてアルフィンから溢れる甘い香り。ジョウへの愛情たっぷりのケーキの香りが、コクピットに充満しはじめた。
     それが余計に、アルフィンを物悲しくする。折角ここまで準備にこぎつけたというのに。本当ならあと5時間後に、驚いたジョウの顔を拝めた筈だ。それが何よりも残念なのである。
     休暇中の飛び込みは、比較的ジョウも渋る筈だというのに。今回は、やけにすんなりと受け入れたものだ。誕生日だというのに。二十歳になったという気構えが、逆に、仕事への意欲高揚に繋がったのかもしれない。
     結局、仕事一辺倒の男。アルフィンはまた、とんでもない男を好いてしまったものだと、認めるしかないのかと思っていた。
     キャノピーに、コロニーの姿が少しずつ大きく映り始めている。ジョウは全くもたもたする様子もなく、<ファイター1>を操っているからだ。
     そんなに仕事がいいのかしら。アルフィンの傾いた機嫌は、まだしばらく戻りそうもない。
    「……そろそろだな」
    「ここで旋回したいくらい」
    「そう言うなよ。……で、コロニーのどこへ行こうか」
    「え?」
     突然、ジョウから妙な台詞が継いだ。
     アルフィンは訳も分からず、碧眼を向ける。操縦グリップを握りながら、ジョウはおかしさを噛み殺すように、笑っている。
    「ちょっと、なあに? だって仕事でしょ?」
     何度も瞬きを繰り返す。
    「アルフィンにとっちゃ、大仕事かな」
    「全然分からないわ、どういう意味?」
     するとジョウは手首のクロノメータにちらりと視線を向ける。
    「任務開始だ」
     また訳の分からない言葉を継ぐ。
     だが次の一言で、すべてが明かされた。
    「アルフィンはこれから24時間、俺のお守りだぜ」
     そしてまた、笑みを向けた。

     クラッシャーは常に、本部からの管轄下に置かれている。休暇であっても、それを撤回させられる権限が本部にはある。だが、その権限を使えない時間が実は設けられていた。
     チームリーダーに対する特別の温情。10年おきに施行される、バースデー特別休暇だ。誕生した時間から24時間は、完全に本部から解放される身の上となる。
     ジョウはそれを今回、初めて有効活用したのだった。
     半月前から。アルフィンの行動の異変をジョウは察した。なにやらこそこそと、忙しそうにしている。こっそりと様子を観察していると、僅かな時間、一日の任務をこなした後の休息時間などに、アルフィンはキッチンへ出向いていた。
     時には大あくびをして、目をこすりながら。疲れた身体で、せっせと何かをこさえている様子。それがジョウの誕生日に向けての準備だと知ったのは。ドンゴから、強制的に聞き出したからだ。ドンゴがメモりしている情報は、チームリーダーの命令があれば、他クルーのプライバシーであっても白状する。
     その事実を知って。ジョウは胸を打たれた。
     健気なアルフィンの姿に、愛おしさが沸き上がっていく。だからこそ、ひとつのけじめをつけるべきだと決心したのだ。二十歳を境に。
     どうしても照れが先走り、ジョウはそれをオープンにはできなかった。しかしそれももう、10代で決別すべきこと。二十歳の男になるのだから。
     すべてを捨てて追ってきた女に、真正面から向き合ってもいい頃だと。
     だがそれを、大っぴらにしたくなかった。タロスもリッキーも、事情を知ればすんなりと2人きりにさせてはくれるだろう。しかしプライベートなことだ。あえてこれから“こうします”と断りを入れることでもない。
     そこでジョウは、ダミーの依頼を隠れ蓑としてバースデー休暇を使うことにした。とはいえ、いずれこのトリックなど、ばれるではあろうが。
    「……これじゃあ逆だわ」
     事情を知りアルフィンは、やられた、という顔をしてみせた。
    「あたし達の方が、ジョウを驚かせたかったのに」
     ちょっと、いや、かなりアルフィンとしては悔しかった。
    「まだまだ簡単に、欺かれる訳にはいかないさ」
     ジョウは第3コロニーのエアポートに向けて、<ファイター1>を操作する。すると眼前に、誘導灯がぱららと一列に光り、宇宙空間に敷かれた。あとは自動操縦で入港できる。

     最終セッティングが終わり、ジョウの手が空いた頃合いを見計らって。
     アルフィンは負け惜しみを継ぐ。
    「でもねジョウ、あたしって機転が利くのよ」
    「機転?」
    「そう。ちゃんとプレゼントだって、<ファイター1>に搭載してるし」
    「手ぶらだったろ」
    「実はね、注文したプレゼント、ここに隠しておいたの」
     オーダーメイドのスーツ。実はそれもジョウは、ドンゴから明かされる一連のアルフィンの行動から知ってはいた。するとアルフィンが、視線と首を、後方へ向けた。後ろにあるの、探してみて。そういう仕草だ。
     腰のシートベルトを外し、ジョウは2席の間から、身体を捻って覗いた。しかしながら、怪しげな紙袋もボックスも見あたらない。
    「それらしいもの、ないぜ」
     姿勢をアルフィンに戻した途端。
     首に、アルフィンが突然しがみついてきた。
    「─────!」
     甘い香りが鼻先で一層強くなる。柔らかな感触が、ジョウの唇をぴたりと塞いだ。不意打ちの口づけ。ジョウは瞬きすら忘れて、閉じられた瞼の長いまつ毛に見入る。硬直し、両手は宙に浮いたままでもあった。
     アルフィンの唇は、少し勿体ぶるようにして、ゆっくりとジョウから離されていった。
    「ね、機転が利くでしょ」
     ジョウに絡みついたままの、最接近した状態で、悪戯っぽく碧眼を向けた。
    「……驚いたな」
    「やったわ! 大成功」
     ジョウのぽかんとした表情に、満足そうな笑みを浮かべる。そしてはしゃいでみせた。今度はそれがジョウにとって、悔しくもある。
     空を浮いていた両腕が、その細い腰をしっかと抱きしめた。
    「俺を欺くなんて、上等だ」
     そして。今度はジョウから唇を重ねた。
     触れ合った部分から、ずっとずっと秘めていたアルフィンへの想いを送り込むようにして。深く、熱い口づけを注いでやった。
     だがアルフィンの指は、もうそれに動じる素振りも見せない。ゆっくりとジョウの、癖のあるダークブラウンの髪の中に潜り込んでいった。
     そんな初のお取り込みの最中に。コロニーの管制室から、アンドロイドのアナウンスが入ってきた。しかしそれすらも、2人の耳には届かなくなっていた。


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■327 / inTopicNo.7)  Re[6]: スペシャル・デイ(?)
□投稿者/ まぁじ -(2002/11/25(Mon) 10:49:32)
    「あ、ちくしょうめ」
     タロスは、舌打ちした。視線の先には、小型スクリーンがある。文字が連なり、スピーカーからはメロディが流れていた。
     クラッシャー本部からのメッセージである。バースデー休暇開始の通信だった。なにせ10年ごとの温情。うっかり忘れてしまっても仕方がない。<アトラス>でダンにも、これと同じメッセージが届いたことを今頃になって思い出した。
    「なんだいこれ?」
     リッキーにしてみれば、初めて見るメッセージ。タロスは簡単に、その意味を解説してやる。
     するとどんぐり眼も、ちぇっと言いたげに歪んだ。
    「なんだい、ちゃっかりしてんな兄貴も」
     毒のある口調だが、表情は徐々ににんまりと変わる。
    「てめえの記念は、てめえでつくる。ま、それが一番妥当っちゃ妥当だ」
    「どのみち、俺ら達の“とびっきり”は駄目そうだったしね。よかったよ、これでアルフィンにどやされずに済む」
    「いや、計画通りだな、これも」
    「……そういやそうだね。兄貴、自分でアルフィンかっさらったけど」
     そして2人は、いひひと笑い顔を見合わせた。
     やはり男心は、男同士が一番理解できている、ということでもある。

    「あー、駄目だ。俺らどんな顔して出迎えたらいいんだろ」
     両手で頬をむぎゅうと抑え込む。そうでもしないと、顔がどんどん緩んでいきそうだからだ。リッキーの脳裏には、まだ思春期の妄想範囲とはいえ、かなり“とびっきり”なことが浮かんでいる。
    「たまんねえなあ。俺らも早く、そんな女の子が欲しいよ」
    「けっ! そっち方面ばかりませてきやがって」
    「そっち方面はとっくにボケちまってるタロスにゃ、関係ない話しだろ」
    「ぬかせ! このタコ! その気になるだけの女がいねえだけだ」
     傷だらけの相貌から、ぎりと歯を剥き出す。思わずリッキーは身を反り返した。
     だが突如そこで、リッキーはふととあることを思い出す。このままいつものレクリエーションに突入する気も削ぐほどに、実に冷静な口調で問いかけた。
    「……なあタロス。“ちゅう”もしたことのない2人がさ、ちゃんとうまくやれんのかい?」
     その質問に。タロスもふうと強面を弛める。
    「そうさなあ……」
     一度でも手ほどきの経験があれば、何も案ずることはないのだが。ジョウにそんな暇があったかというと、タロスの記憶にはひとつもない。
    「いきなりさ、ベイビーのお持ち帰りってことになったら。どうすんだい」
    「うーむ」
     回避を配慮できる余裕が、初の“とびっきり”な状態でできるかどうか。タロスとしては、かなり遠い昔を振り返らないと、思い出せないことでもある。だが振り返ったとして、それはタロス自身の体験。ジョウとぴたりと当てはまるかどうか、考えるだけ無駄でもあった。
    「ま、そうなったら、そうなったでよ」
     タロスはそこで一旦言を区切る。
     リッキーはどんな回答が出されるのか、食いつくように見入っていた。
    「クラッシャー同士の跡継ぎってのは、快挙だ。アラミスの将来にとっても、“とびっきり”の出来事ってやつだな」
     そしてにやりとタロスは笑う。リッキーも当然、同調することでもあった。

     24時間のバースデー休暇が明ける頃。
     <ファイター1>は、<ミネルバ>に無事帰還した。24時間をジョウとアルフィンがどう過ごしたか。タロスとリッキーがどんな様子で2人を出迎えたか。
     それは4人が再び合流した格納庫から繰り広げられていく。しかしそれはまた、別の話しでもあった。


    <END>
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■328 / inTopicNo.8)  Re[7]: スペシャル・デイ(?)
□投稿者/ まぁじ -(2002/11/25(Mon) 11:15:04)
    <あとがき>

    文中、正しくは「空間表示立体スクリーン」ですね(^^;)。
    あー、だみだこりゃ。「誕生日」っていうハードルは、私にも高かったです。
    ただね、なんとなく、タロスとリッキーの企みを書いてみたかったのです。
fin.
引用投稿 削除キー/



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