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■399 / inTopicNo.1)  SilentNirht☆
  
□投稿者/ ミルク -(2002/12/25(Wed) 06:50:57)
    「兄貴、明日はクリスマスだろ?
     たまにはさ、兄貴からアルフィン誘って出掛けておいでよ」

    突然のリッキーの言葉に俺は驚いて聞き返す
    「何なんだいきなり・・・・」

    「いやさ、珍しくクリスマスなんてイベントと休暇がかさなっただろ
     だからさぁ〜いつもみたいに皆でドンチャン騒ぎも良いけど
     こう恋人達の2人っきりのクリスマスなんてのも良いんじゃないかと思ってね
     ・・・・たとえば、ココのホテルからエアカーで30分位の所にコンサートホール
     があったじゃん、そこでクリスマスコンサートを見てその後、
     歩いて10分位の所にある展望レストランで夜景を見ながら食事なんてどうだい?」

    鼻の頭をかきながらリッキーはヘヘヘヘッと笑ってみせた
    でも、実は俺も珍しく明日のクリスマスはアルフィンを誘って何処かに
    出掛けてみようかと考えてはいた・・・・・
    が、いきなりそんな事を思い立ってもいまさら
    どの店も一杯なのは分かりきっていたので
    どうしようかと思っていたのだった

    「出掛けると言っても何処も予約で一杯だろうし
     そのコンサートチケットにしたって今更、手に入らないだろ」

    するとリッキーはポケットをゴソゴソと探りながら
    2枚のチケットを取り出してきた

    「へヘヘヘヘッ それが違うんだな〜
     これ、明日の夜のコンサートチケット
     なんかさ、ゴスペルとか聞かせて結構良いらしいよ
     それと、展望レストランの予約も兄貴の名前で入れてあるから
     あっ もちろん代金は支払ってあるからさ
     プレゼントという事で楽しんできてよ」

    あまりの手際よさにコイツは本当にリッキーなんだろうか?と
    不思議に思うのと、代金を支払い済みという言葉にビックリした
    だってそうだろう・・・・コンサートチケットとディナーの代金と
    いったら結構な額だ、プレゼントといって済む金額じゃない

    「プレゼントって額じゃないだろう
     いくらしたんだ?ちゃんと払うよ」

    俺の言葉に対し返事をしたのはタロスだった

    「何も言わずに貰っとくわけにはいきませんか?」
    「しかし、ただで貰うにしては高額すぎる」


    「あのさ・・・・俺らからだけってわけじゃないんだぜ
     このプレゼント・・・・タロスと・・・ミミーの
     3人からのプレゼントなんだ・・・だからさ、貰ってくれよ」

    最後の方はボソボソと小さい声でリッキーが言った
引用投稿 削除キー/
■400 / inTopicNo.2)  Re[1]: SilentNirht☆
□投稿者/ ミルク -(2002/12/26(Thu) 17:40:43)
    「このクソガキが、随分しゃれた事を言い出すなぁと思ったら
     お膳立てしたのはミミーだって言うじゃありませんか
     それで、私も納得できたんですがね
     コイツ1人の考えにしちゃ出来過ぎてる
     しかし、いい考えだ。
     実は、毎年アルフィンからクリスマスプレゼントを
     貰ってるんですが今までお返しというのをした事が無いんですよ
     それに若い女性のプレゼントなんて何をあげて良いのか分かりませんしね
     だから、コレがそのお返しという事にしてくれませんか?」

    「だったらソレを貰う権利があるのはアルフィンだろ
     俺じゃない・・・・俺も金をだすから4人からの
     プレゼントにしたら良いじゃないか」

    「駄目だよ、兄貴にだって日頃から世話になってんだ
     コレはそのお礼も含めてるんだから
     2人で貰っておくれよ」
    「ほら、このガキもここでジョウに金をださせたら
     ミミーにかっこがつかないんですよ
     分かってくれませんか?」

    タロスとリッキーに説得されて今回は3人の気持ちに甘えてみるのも
    良いかと思った。
    無理に断る理由も無いし
    何よりアルフィンが喜びそうだ

    「分かった、ありがたく貰っておくよ
     後でアルフィンに声をかけてみる
     リッキー、ミミーにも礼を言っておいてくれ」


    こうやって手に入れたチケットを
    ポケットに入れたまま、すでに5時間が経過している
    俺はまだ、アルフィンを誘えないでいた

    その間に何回リッキーにせっつかれた事だろう・・・・
    だが、いい加減本当に誘わないとヤバイ
    このままじゃ明日になっちまう
    俺は意を決してアルフィンの部屋に向かった
引用投稿 削除キー/
■401 / inTopicNo.3)  Re[2]: SilentNirht☆
□投稿者/ ミルク -(2002/12/26(Thu) 17:50:41)
    「アルフィン・・・・」

    声をかけながらドアを開くが返事が無い
    そのかわりにボソボソと話す声が聞こえる
    どうやら誰かと電話してるらしい

    「・・・・ジョウが・・・・・」


    出直してこようと踵を返そうとした瞬間に俺の名前が聞こえた
    一体、誰としゃべってるんだ・・・・
    盗み聞きは悪いと思いつつもその場を離れることができない

    『アルフィンは良いわよね〜
     ずっとジョウと一緒にいられるんだもん
     いくら毎晩、電話でしゃべってても
     やっぱりリッキーがそばにいないのは
     寂しいなぁ〜
     私もアルフィンみたいに恋人と一緒にいたい』

    どうやら電話の相手はミミーのようだ
    俺は今度こそ部屋を出て行こうとした

    「恋人じゃないわ」

    アルフィンのきっぱりとした否定が聞こえた

    「ジョウは私の恋人じゃない・・・・」
引用投稿 削除キー/
■402 / inTopicNo.4)  Re[3]: SilentNirht☆
□投稿者/ ミルク -(2002/12/27(Fri) 23:47:07)
    俺の背中に嫌な汗が流れた
    アルフィンは何を言ってるんだ?
    俺とアルフィンが恋人じゃないなんて・・・・・


    『うそ・・・・冗談言わないでよ
     どこが恋人じゃないって言うの?
     どこをどう見ても恋人同士にしか見えないわよ』

    ミミーが俺の疑問を代弁してくれる
    俺は自分の知らないうちにアルフィンに振られてたんだろうか・・・
    だとしたら・・・・ものすごくマヌケじゃないか


    「だって・・・1度も言ってもらってないもの・・・」

    『何を?』


    「1度もジョウに言われた事が無いの・・・
     好きだとか、付き合おうとか・・・
     何も言われてないのよ
     そんなんで、恋人同士だなんて言えないわ」

    すねたようなアルフィンの声が聞こえる
    1度も言われた事が無いって
    ・・・・・わざわざ言わなきゃ分からないのか?
    俺は充分、態度で示してるつもりだし
    アルフィンだって分かってるものと思っていた

    が、どうも違うらしい・・・
    ミミーとアルフィンの会話はまだ続いていたが
    なんとなく面白くない俺は
    そのまま部屋を出て外に飲みに行ってしまった
引用投稿 削除キー/
■404 / inTopicNo.5)  Re[4]: SilentNirht☆
□投稿者/ ミルク -(2002/12/28(Sat) 13:43:25)
    ミミーとの電話を終えて眠りについた私は
    真夜中に人の気配で目を覚ました

    「う・・・ん・・誰?」

    誰かが私が寝ているベットに座っている
    最初は分からなかった、その人物が
    枕もとの小さな明かりにだんだん目がなれてきたのか
    顔がはっきりと分かるようになった

    「・・・・ジョウ?・・・
     どうしたの、こんな時間に」

    時計を見るとまだ朝の3時
    他人の部屋を訪れる時間じゃない
    最初は何か急を要するようなことでも起こったのかと
    思ったが違ったようだ

    何故なら・・・・

    「酔ってるの?お酒くさいわよ」

    ベットから出て部屋に備え付けられている
    小さなドリンク用の冷蔵庫からミネラルウォーター
    を取り出しジョウに差し出す
    だが、ジョウはそのボトルを取らずに
    私の手首をつかみ何かを言った


    「×××××だから・・・」


    「えっ 何?何て言ったの?聞こえなかったわ」


    「俺は、ずっと前から
     アルフィンとは・・・・・・・
     恋人同士のつもりだから//////」

引用投稿 削除キー/
■426 / inTopicNo.6)  Re[5]: SilentNirht☆
□投稿者/ ミルク -(2003/01/24(Fri) 00:24:26)
    「えっ」

    グイッと腕を引かれバランスを崩した私は
    そのまま、もつれるようにベットに倒れこむ
    驚いて咄嗟に押し退けようとしても
    鍛えぬかれたジョウの体はびくともしない
    ベットに押さえつけられ耳元で囁かれた

    「愛してるから・・・・
     だから、さっきみたいな悲しい事言うな」

    さっきみたいな?
    何のことか分からない

    「何を言ってるの?」

    ・・・・恋人同士のつもりだから・・・・

    ジョウの台詞から導き出される答えは
    ミミ−との電話?
    もしかして聞いてたの?

    「ジョウ、それって・・・」

    体にかかるジョウの重み
    頬にかかる熱い息

    「俺は結構、独占欲が強くて
     嫉妬深いんだからな」

    すねたような声
    でもジョウ文章がバラバラよ

    「それに・・・・・う〜自己嫌悪」

    私からはジョウの顔は陰になって見えないのに
    真っ赤になって照れてるのが分かる
    もぉ〜嬉しいっていうか、なんて言うか

    ・・・・カワイイ・・・・

    何かもの凄くジョウがカワイイ
    私はジョウにギュッと抱きつくと

    ジョウの唇にキスをした
引用投稿 削除キー/
■427 / inTopicNo.7)  Re[6]: SilentNirht☆
□投稿者/ ミルク -(2003/01/25(Sat) 09:11:32)
    「ありがとう。
     今までで1番嬉しいクリスマスプレゼントだわ」

    今まで感じた事の無かった感情が私を支配する
    かっこよくて、頼りがいがあって・・・・
    どこか、私よりも1歩前を歩いていたジョウが
    同じラインに並んだ気がした。

    すねた口調のままジョウが囁く
    「俺にプレゼントは?」

    「えっ・・・・」

    「クリスマスプレゼント・・・・無いの?
     じゃあ、コレ貰う」

    貪るような口付けと力強い抱擁・・・
    そして、今までで1番優しい笑顔で
    ジョウは私を一杯にしていった
    2人で幸せな気分のまま眠りの中に落ちていく時まで
                  
                             END
引用投稿 削除キー/
■428 / inTopicNo.8)  Re[7]: SilentNirht☆
□投稿者/ ミルク -(2003/01/25(Sat) 09:17:20)
    おまけ♪

    翌日、昼過ぎまで眠りつづけた私達は
    リッキーに起こされ
    そこで、私は初めて今晩の予定を聞かされた。

    「ディナー?コンサート?何それ?・・・・(汗)
     だって、今何時よ・・・やだ〜早く準備しないと
     間に合わないじゃない!
     シャワー浴びなきゃ・・・・」

    ジョウを、おもいっきり罵りながら
    ドタバタと準備をして、私達はギリギリの時間で大慌てで
    出掛けて行ったのでした。


    「もう、本当にジョウは肝心な事を何も言わないんだから!(怒)」
fin.
引用投稿 削除キー/



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