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■445 / inTopicNo.1)  月の雫(バレンタインSS)
  
□投稿者/ ミルク -(2003/02/14(Fri) 16:30:16)
    始めに・・・

    これは「HoneyMoon」のシリーズの1本です(笑)
    なので・・・・アニスとシアンが出ていますので
    (主役が誰か分からないくらい出てます)
    それが嫌な方はやめておいた方がいいかもしれません

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■446 / inTopicNo.2)  Re[1]: 月の雫(バレンタインSS)
□投稿者/ ミルク -(2003/02/14(Fri) 17:11:29)
    西暦2176年2月14日━アラミス━

    閑静な住宅街の一軒の家の前にエアカーが止まった
    エアカーから降りてきたのは、おなじみCJチームの面々
    ジョウ・タロス・リッキーである。
    アルフィンが25歳の時、出産の為にミネルバを降りてから7年
    ジョウは34歳になり、今や2児の父親である(笑)
    リッキーも30歳、身長も伸び(爆笑)立派なクラッシャーとなっていた
    タロスも67歳の高齢の為、本来なら引退してアラミスで暮らしている
    はずなのだが、本人の希望で未だ現役でミネルバの操縦士をしていた。

    「ジョウ、本当にいいんですか?
     久しぶりの家族水入らずの所に
     あっしらなんかがお邪魔しちまって」
    「そうだよ、兄貴。
     俺ら達やっぱりホテルに行くよ」

    遠慮する2人に対しジョウは明るく応えた
    「何を言ってるんだ、2人とも俺やアルフィン達の
     立派な家族じゃないか気にするなよ」

    言いながらジョウが門のインターホンを押そうとするのを
    小さな女の子が遮った

    「あなた、誰?家に何のよう?」

    声のする方を見ると小学生の女の子と男の子がジョウを見上げていた
    「アニスにシアンか?
     大きくなったな・・・・」
    ジョウが女の子に手を伸ばそうとすると
    女の子がその手を払いのけるように
    「押し売りだったら、お断りよ
     諦めてさっさと帰りなさい。
     どうせママの見かけに騙されて
     来たんだろうけど、だったら無駄よ
     あの人は見かけどうりの人じゃないんだから
     酷い目に遭うわよ」

    女の子が冷たく言い放った
    その女の子の袖をひっぱり、男の子が一生懸命に
    女の子の行動を止めようとしていたが
    女の子はその男の子に向かい
    「何よ、シアンうっさいわね
     ママがいつも言ってるでしょ
     押し売りは最初が肝心だって
     この家は、女と子供しかいないんだから
     ココできっぱりと断っておかないでどうするのよ!」

    「押し売りって・・・・何を言ってるんだ
     アニス、俺だ、パパだ。
     分からないのか?
     シアン、お前は分かるだろ。
     アニスに言ってやってくれ」

    あまりの出来事にジョウが戸惑いながらも
    事態を収拾しようとするのを
    またもアニスが邪魔をする
    「ちょっと、お兄ちゃんが大人しいからって
     ちょっかいださないでくれる。
     お兄ちゃんも黙ってないでキッパリ言いなさい!
     だらしないわね」


    「すげぇ・・・さすがアルフィンの娘だ」
    思わずリッキーが呟いた

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■447 / inTopicNo.3)  Re[2]: 月の雫(バレンタインSS)
□投稿者/ ミルク -(2003/02/15(Sat) 15:06:11)
    「馬鹿野郎、変な感心してないで
     お前もどうにかしろ!」
    タロスがリッキーの頭を殴った
    「いってぇ〜な・・・分かったよ」
    『俺らは何年たってもこういう運命なんだな・・・』
    リッキーがアニスに近寄ろうとするのをシアンが止めた
    「リッキー兄ちゃん
     やめた方が良いよ・・・・アニスにやられるよ」

    「・・・・ってシアンお前
     俺ら達のこと分かってるならアニスに言ってやれよ
     兄貴が切れるぞ、このままじゃ」

    シアンはギャ−ギャ−と言い合いをしている2人を横目に
    溜息をつきつつ小さな声でタロスとリッキーに言った
    「分かってるんだけど・・・・・」
    シアンが躊躇していると
    「いいかげんにしろ!アニス!
     ママを、アルフィンをココに呼んで来い!!!!!!」
    とうとうジョウが切れてアニスに怒鳴った
    一方、怒鳴られたアニスはジョウにニッコリと微笑むと
    そのまま玄関まで行きドアを開くとアルフィンに向かって叫んだ

    「ママー!お待ちかねのパパが帰ってきたわよ〜♪」

    「「「へっ」」」

    アニスの言葉に呆然とする3人にシアンが申し訳なさそうに言った
    「ごめんね・・・・父さん。
     僕は止めたんだけど、アニスが聞かなくて・・・」
    その言葉にジョウの腕は怒りでブルブルと震えていた
    「分かっててやってたのか?!(怒)
     いったい何を考えてるんだアニスは!!!」
    ジョウが家の中にアニスを追いかけて行こうとした時
    奥の部屋からアルフィンが飛び出し抱きついてきた

    「ジョウ〜お帰りなさい♪
     待ってたのよ」

    久しぶりのアルフィンの感触にジョウは思わず怒りを
    忘れてギュッと抱きしめていた・・・・・が
    ドアの陰からニヤニヤと笑いながら見ているアニスの存在に
    気づくと慌ててアルフィンを引き剥がし
    わざとらしく声を荒立たせた
    「アルフィン、お前はいったいアニス達に
     どんな教育をしてるんだ!」
    「どんなって?」
    「俺達の事をどんな風に説明してるんだ?って事だ!
     親を馬鹿にするのも程がある!」
    「どんなって、普通よ」

    小首をかしげ、ニッコリと微笑むアルフィンは
    とても7歳の子供がいるようには見えない
    金の髪が肩からサラリと音をたてて流れ落ち
    白い肌は透き通るようで
    少女時代とは、また違った
    大人の女性の美しさを漂わせていた
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■448 / inTopicNo.4)  Re[3]: 月の雫(バレンタインSS)
□投稿者/ ミルク -(2003/02/17(Mon) 01:13:16)
    「普通って・・・」
    ・・・のはどんな説明なんだ?ジョウはそう聞こうとしたが
    その言葉をアニスが無理やり奪った
    「そりゃ〜もう大変よ
     年中ママに聞かされてるもの
     私達がこうして生活できるのも
     パパが一生懸命お仕事してるからなのよ
     クラッシャーって仕事は常に危険と
     背中合わせで大変な仕事なのよ
     パパに感謝しなくちゃ!ってね」
    アニスがアルフィンの真似をしながら
    手振り身振りを加えて説明する
    「毎日毎日、ママからパパがどんなに格好いいか
     なんて惚気を聞かされる私達の身にもなって欲しいわ
     大変なんだから!
     まぁ、両親が仲が良いのは良い事だけど・・・
     だから、パパはママの浮気なんか心配しなくても
     大丈夫だから安心してね♪」

    「だっ・だ・誰がアルフィンの浮気の心配してるなんて言った!
     いいかげんにしろ!!アニス!!
     あんまりふざけた事ばかり言ってると本気で怒るぞ!!!」

    顔を真っ赤にしたジョウがアニスを捕まえようと手を伸ばしたが
    一瞬早くその手を逃れアニスは門の外に飛び出していた

    「ママ!私ちょっと買い物があるから出掛けてくるね♪
     夕食までには帰るから〜
     パパ!私が居なくて淋しくても我慢してね♪
     行ってきま〜す♪」

    怒りが頂点に達しているジョウを置いて
    さっさと出掛けてしまったアニスの後姿を見送りながら
    リッキー・タロス・シアンの3人は途方にくれていた

    『こんな状態のジョウを残して行くなよ
     俺達にどうしろって言うんだ・・・・勘弁してくれ〜(泣)』
引用投稿 削除キー/
■449 / inTopicNo.5)  Re[4]: 月の雫(バレンタインSS)
□投稿者/ ミルク -(2003/02/18(Tue) 16:17:33)
    なんとも気まずい状態の4人を
    アルフィンは、にこやかに促した

    「ほらっ いつまでも玄関先にいないで
     リビングに行きましょうよ
     ケーキを焼いたのよ、お茶にしましょう。
     ほらっ、あなたも久しぶりに会ったのに
     いつまでも怒ってないで、ねっ♪」

    するりとジョウの腕に自分の腕をからませると
    アルフィンはリビングに向かった
    その後ろを歩きながらリッキーは数年前の自分の立場を見るような
    気がしてシアンの耳元に囁いた

    「・・・・・シアン
     アニスはいつも、あんな風なのか?
     お前も大変だな〜」
    「わかる?分かってくれる?
     リッキー兄ちゃんだけだよ
     僕の気持ちをわかってくれるのは」

    人をおちょくって楽しんでいるアニス
    同病相憐れむリッキーとシアン
    仲の良い夫婦となったジョウとアルフィン
    そんな皆の様子を黙って見ていたタロスは
    『数年後のミネルバの姿が見えたな・・・・』
    と1人ほくそ笑んでいた。

    その後は核弾頭のようなアニスが居なかったからか
    穏やかに時間は過ぎ、夕食前に予告通りに帰ってきた
    アニスを交えてからも奇跡的に(笑)大した問題も無く
    夜は更けていった。
引用投稿 削除キー/
■450 / inTopicNo.6)  Re[5]: 月の雫(バレンタインSS)
□投稿者/ ミルク -(2003/02/20(Thu) 00:09:21)
    皆が自分達の寝室に行った後のリビングで
    ジョウとアルフィンは、つかの間の2人っきりの時間を
    楽しんでいた。

    「久しぶりの我が家はいかがですか?旦那さま」
    「疲れた・・・・宇宙の方が楽だ・・・
     なんでアニスはあんなにパワフルなんだ・・・」
    アルフィンはクスクスと笑いながら言った
    「そりゃ、私とあなたの娘ですから(笑)」
    「俺の子供の頃は、あんな風じゃなかったぞ
     どっちかというと、どこぞの姫君に似てるんじゃないか?」
    「あらっ、私だって大人しかったわよ
     シアンなんか私の小さい頃にそっくりよ」
    「どうだか・・・・」

    「「・・・・・・」」

    2人で顔を見合わせ、どちらかとも無く
    唇をあわせようとした時
    コホンッと小さな咳払いが聞こえた

    「お邪魔します(笑)」←本当にお邪魔だよ(爆笑)

    「アニス!寝たんじゃないのか?」
    慌ててジョウがアルフィンを引き離した

引用投稿 削除キー/
■451 / inTopicNo.7)  Re[6]: 月の雫(バレンタインSS)
□投稿者/ ミルク -(2003/02/21(Fri) 12:38:38)
    耳まで真っ赤になっているジョウに上目づかいで
    アニスが近づいてきた
    「ごめんね、パパに用事があって・・・」
    「・・・・何だ?」
    「お茶でも入れるわね」
    アルフィンがキッチンに行くのを確認してから
    アニスは後ろ手に持っていた
    リボンのついた小さな箱を差し出した。

    「バレンタインのチョコ」
    「俺にか?」
    「そうよ、だって私の理想ってパパだもん♪」
    『・・・その理想を普通、あんなにおちょくるもんか?』
    ジョウはそう思ったが口にはださず
    アニスの差し出すチョコを受け取った
    「ありがとうアニス」
    アニスは嬉しそうに笑うとジョウに顔をよせ
    「大好きよ、パパ」
    ジョウの頬にキスすると
    そのまま自分の部屋に行ってしまった。


    「随分、嬉しそうね」

    アルフィンがコーヒーを持ってジョウの前に立っていた
    「・・・・そうか?」
    「顔がにやけてるわよ」
    「そんな事無いだろ・・・
     何だ?ヤキモチか、自分の娘だろ」
    「自分こそ、娘に鼻の下のばして
     そんなに嬉しいんだったら
     私のチョコは要らないわね」
    「何怒ってるんだよ」
    「知らない!」
    アルフィンは自分の持っていたチョコを
    ジョウに投げつけると寝室に行ってしまった
    「痛って・・・・おいっアルフィン!」

     

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■452 / inTopicNo.8)  Re[7]: 月の雫(バレンタインSS)
□投稿者/ ミルク -(2003/02/24(Mon) 00:29:49)


    「・・・・痛い」
    俺は息苦しさと顔に感じる痛みで目を覚ました
    目の前には怒り顔のアルフィンが俺の鼻をつまんでいた

    「何するんだ、痛いじゃないか」
    「・・・・誰?」
    「・・・何が?」
    起き抜けにアルフィンは何を言ってるんだ?
    俺は訳が分からなかった・・・・
    とりあえず、状況を把握しようと周りを見る
    見慣れたいつもの風景
    『・・・・ミネルバの俺の部屋か・・・』

    「今のは夢か・・・・やけにリアルな夢だったな」
    呟く俺にアルフィンはキリリと眉を上げ
    「何言ってるのよ、私は聞いてるのは
     寝言で言った名前は誰の事か聞いてるのよ!」

    「寝言で言った名前?」
    「そうよ!いくら呼んでも応答が無いから
     様子を見に来てみれば、ジョウはニヤニヤと
     スケベ笑いしながら寝言いってるんだもん」
    「スケベ笑いって・・・・酷い言われようだな」
    アルフィンは怒りのあまり自分がチョコを持っていた事を
    忘れているようで、ジョウの胸倉を掴み
    ヒスをおこしていた。
    「アニスって誰よ!どんな女なの?(怒)」
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■453 / inTopicNo.9)  Re[8]: 月の雫(バレンタインSS)
□投稿者/ ミルク -(2003/02/26(Wed) 02:06:22)
    「ア・・・ニス?」
    「そうよ、アニスよ!
     ジョウが寝言で言った名前よ
     ドコの女よ!いつ知り合ったの?
     私に隠れて!!!!酷い!!!!!(怒)」
    目に涙を浮かべてジョウにすがり付いている
    (↑本当は怒りで胸倉を掴んでいるのだが、惚れた欲目というか・・・弱みというか
     ジョウにはすがり付いてるように見えるらしい【笑】目が曇ってるぞ!ジョウ)
    そんなアルフィンを見て『かわいい』と思い
    ジョウは思わず笑みをこぼした

    「何がおかしいのよ」
    アルフィンがジョウを殴ろうと振り上げた腕を
    掴み引き寄せ耳元で囁く

    「どんな女か知りたいか?」
    「もういい!ジョウなんか知らない!
     手を離して!!!」

    煩く騒ぐ口を自分の唇で塞ぎ
    暴れるアルフィンを身体で押さえ込み
    ジョウは口角をあげ、アルフィンに言った

    「アルフィンが俺に協力してくれたら
     近い将来に会わせてやれるぜ
     ・・・・だから、仲良くしよう」
    そう、望めばすぐに会える
    アレはきっと未来の自分達なのだから・・・・・

                                        END

                                                        
fin.
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