| ジョウ、わたし赤ちゃんが出来たの。 ……あ、アルフィン…けっ、けっ、結婚しよう!
こうして二人はめでたく結婚し、数ヵ月後にはパパとママになった。 出産後、一ヶ月検診を終えたアルフィンの第一声は―― 「さあミネルバへ戻るわよ!」
彼女は早々に仕事に復帰するつもりらしい。 だが、多かれ少なかれこの仕事に危険はつきものだ。 ミネルバに赤ん坊をおいて仕事をするなんて考えられない。 何かあった時、一人で宇宙服も着られないような者を船に乗せるわけには行かない。 だいたい新生児用の宇宙服なんてあるのか?
何を言っても無駄だった。 相手はあのアルフィンである。一筋縄ではいかない。
「だって妊娠中太っちゃったのよ。 早くもとの身体に戻すためには、運動するのが一番じゃない」
「いや、だからって、いきなり仕事に復帰しなくても…」 そう言ったリッキーを睨み付け「なんか文句ある?」と一言。 その右手は握りこぶし。今にもパンチが炸裂しそうだ。 こういうところは変わらない。 赤ん坊を産んだからって、それだけで聖母になれるわけじゃないんだ。
「何とかしてくだせぃよ」 タロスも訴えてくる。
「アルフィン、ミネルバで育児は危険すぎる。」 そう切り出した俺に、彼女はいとも簡単に告げる。
「じゃあ、ジョウが船を降りれば?」
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