| 「・・・・(泣)」
「なっ、泣くなよ。 そんな事くらいで・・・」
無理言わないでよ。 ・・・だって諦めてたのよ・・・無理だって きっと皆、覚えてないって ううん、たとえ覚えてたって仕事中だから無理だって・・・ だから・・・我侭言っちゃいけないって・・・
・・・淋しいなんて思っちゃいけないって・・・
嬉しさのあまり泣き出した私をジョウが優しく抱きしめてくれた
「来年はさ・・・ちゃんと休暇取れるようにするよ・・・ だから・・・今年は・・・コレで勘弁してくれよな」
そう言うと私の涙を唇で吸い取るようにしながら 指に綺麗な指輪をはめてくれた
どうしちゃったの?ジョウ 照れ屋の貴方がこんな事してくれるなんて 夢見てる訳じゃないわよね?
寂しい気持ちが見せる幻想じゃないわよね?
「何だよ、気に入らなかったのか?」
指輪を見つめたまま何も言わない私に不安を覚えたのか ジョウが心配げに聞いてくる
馬鹿ね・・・・ 気に入らない訳ないじゃない
嬉しいに決まってるじゃない
そんな事もわからないの?
だから貴方は女心に鈍いって言うのよ
・・・だけど・・・
そんな貴方が大好きよ・・・
不安そうにしている貴方をギュッと抱きしめる
ありがとう、ジョウ。
貴方がそばに居てくれたら
それだけで私には最高の誕生日よ
ケーキも新しいドレスもプレゼントも
もう、いらない
・・・ただ・・・
これからもずっと・・・
貴方にそばに居て欲しい。
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