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■994 / inTopicNo.1)  アルフィン姫
  
□投稿者/ りんご -(2006/04/18(Tue) 22:46:02)
    昔、昔あるところに、とてもきれいなお姫様がいました。
    名前は、アルフィン姫。
    雪のように白い肌と、宝石のように蒼い瞳。
    父である国王様に大切にされ、それはそれは、幸せに暮らしていました。

    ところが、あるとき、国王様が再婚することになりました。
    アルフィン姫に、新しいお母さんが出来るのです。
    しかし、新しいお妃様は、見かけはきれいでしたが、実は恐ろしい魔女だったのです。

    お妃様は、魔法の鏡に訊きました。
    「鏡よ、鏡。この国で一番、きれいなのはだーれ?」
    すると、鏡が答えました。
    「この国で、一番きれいなのは、お城にいるアルフィン姫」
    それを聞いたお妃様は、かんかんに怒りました。
    「きー!なんですって!上等じゃない、ミスギャラクシーの件も含めて、白黒つけようじゃない!」
    お教えするのが、遅れましたが、お妃様の名前は、ルーと言います。

    お妃様は、家来のバードに命じて、アルフィン姫を亡き者にしようとしました。
    しかし、姫を不憫に思ったバードは、姫を森に逃がしてやりました。

    アルフィン姫は、森を彷徨いました。
    歩きつかれて、くたくたになった時、小さな家が見えました。
    「今夜は、あのおうちに泊めてもらいましょう」
    とんとん。ドアをノックしました。
    しかし、返事がありません。
    ドアを開け、中に入ると、テーブルの上にご馳走が並んでいます。
    お腹のすいていたアルフィン姫は、そのご馳走を全部食べてしまいました。
    すると、今度は眠くなりました。隣の部屋に、大きなベッドと小さなベッドがありました。
    アルフィン姫は、ベッドに横になり、すやすやと眠りはじめました。

    仕事を終えた、この家の住人が帰ってきました。
    大男の名はタロス。小さいほうは、リッキーといいました。
    家に入ると、二人はびっくりです。
    何故って、楽しみにしていたご馳走がなくなっていたからです。

    「タロス、ちょっと来て。知らない女の人が、おいらのベッドをつかってるよ」
    リッキーとタロスは、眠っているアルフィン姫を見つけました。
    「ちょっと、起きておくれよ。そこは、おいらのベッドだよ」
    アルフィン姫は、目をさますと、びっくりしました。
    「きゃあ、大男と小人がいるわ!」
    「え?小人っておいらのこと?」
    リッキーが自分を指さしました。
    アルフィン姫が頷くと、リッキーは隅っこにいって、大層いじけてしまいました。
    アルフィン姫が一生懸命謝ると、やっと許してくれました。

    そして、アルフィン姫は、これまでの事情を二人に話しました。
    すると二人は、この家で暮らしなさいといいました。
    タロスとリッキーは、毎日森の奥で、木を切ります。
    その間、アルフィン姫はお掃除をしたり、お料理をしました。
    アルフィン姫には、全てがものめずらしく、楽しい日々を送りました。

    その頃、お城では、意地悪なお妃のルーが、鏡を相手にまた質問をしました。
    「鏡よ、鏡。この国で一番、きれいなのはだーれ?」
    すると、鏡が答えました。
    「この国で、一番きれいなのは、森にいるアルフィン姫」
    「なんですって!あの、小娘がまだ生きているんですって。こんどこそ、息の根をとめてやるわ!」
    ルーの目に、めらめらと嫉妬の炎がともりました。

    いつものように、タロスとリッキーが森に出かけていきました。
    アルフィン姫がお掃除をしていると、一人の老婆がやってきました。
    「娘さん、りんごをいかが?」
    老婆が、真っ赤なりんごを差し出しました。
    「まあ、なんて美味しそうな、りんごでしょう。でも、見ず知らずの方からは、頂くことはできません」
    (ちっ!)老婆は、内心舌打ちしました。じつは、この老婆、魔法を使って、ルーが化けていたのです。

    「そんなことは、言わずに。ほれ、一口、味見をしてごらんなさい」
    重ねて勧められ、アルフィン姫は一口だけ・・と、りんごをかじりました。
    すると、どうしたことでしょう。アルフィン姫が倒れてしまいました。
    それをみた老婆は、笑いながらお城のほうへ、帰って行きました。

    家に帰ってきた、タロスとリッキーは、びっくり仰天です。
    「わー、大変だよ、アルフィンが、じゃなくて、アルフィン姫が死んでるよ!」
    二人は、アルフィン姫の側で泣きました。
    すると、その騒ぎを聞きつけ、男が人がやってきました。
    「どうしたんだい?」
    やってきたのは、隣国の王子ジョウ様です。
    身長180センチ。体重75.5キロ。髪と目は・・・まあ、ご紹介するまでも、ございませんね。

    「おいら達のお姫様が、死んじゃったんだよ。そうだ!王子様がキスすれば、目をさますよ」
    「ええ!」王子様はびっくりです。
    「さあ、ジョウ。さくっと、やっておくんなせえ」
    タロスとリッキーが、真摯な眼差しで、王子様をみつめます。

    王子様が、美しい姫君に、口づけをしようと顔を近づけました。
    ・・・が、出来ません。
    何故って?王子様はとっても、照れ屋さんなのです。

    「なにしてんだよ、早くキスしちゃってよ!」
    リッキーが急かします。
    「う・・・いや・・それは・・・」
    王子様は顔を真っ赤にさせ、もじもじしています。
    タロスがリッキーに、目で合図を送りました。
    (リッキー、後ろから押せ)
    (あいよ。任せといて)

    そして、王子様とお姫様は、熱い口づけをかわしました。

    ゆっくりと、アルフィン姫が目を開けました。
    「まあ、王子様。あなたが、私を助けてくださったのですか?」
    王子様が頷きました。
    「まあ、王子様。私を、あなたのお国に連れて帰りたいと思ってらっしゃるの?」
    またまた、王子様が頷きました。
    声もでない王子様に代わって、リードして差し上げる、心やさしい姫でした。

    こうして、晴れてアルフィン姫は、王子様のジョウと一緒に、隣国へと向かいました。
    もちろん、王子様の愛馬ミネルバに揺られて。

    二人の幸せそうな姿を見送っていた、タロスがリッキーに言いました。
    「おい、上手く手助けできたじゃねえか」
    リッキーは首を振りました。
    「おいら、何もやってないんだよ。実は・・・アルフィン姫がジョウのマントを引っ張って、強引にキスに持ち込んだんだよ」
    「なんだって!」
    「ほんとさ。きっと、死んだふりして、キスされるの待ってたんじゃないのかな?」
    去っていく二人を見て、タロスがつぶやきました。
    「間違いなく尻に敷かれるな・・・」

    なにはともあれ、めでたし、めでたし。

引用投稿 削除キー/
■995 / inTopicNo.2)  Re[1]: アルフィン姫
□投稿者/ りんご -(2006/04/18(Tue) 22:49:45)
    <あとがき>

    期待して、お読みになった方・・・すみません。

    これは、世界の名作 ○○姫のCJ版です。

    そして、作者りんごも今回ちゃっかり、登場してしまいました。

    そう、ルーが差し出した毒りんごです。

    さて、本当に毒があるかは・・・秘密です(笑)

引用投稿 削除キー/



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