| 「だってさー、つい夢中になっちゃってさー」
「ハイハイ。言い訳は結構」
「いや、言い訳というより状況説明なんだけど」
「お黙り。いいからさっさとお飲み」
「…アルフィン、もういい加減、俺らをガキ扱いすんのやめてくれよな」
「それなら、それ相応の生活をおし。久しぶりの休暇だからって、ハメを外して夜から部屋のプールで大はしゃぎ。身体が濡れたまま部屋に備え付けのジュースをがぶ飲みしたかと思ったら、見事に風邪をひいちゃって。素直にクスリを飲めばいいものを、訳の分かんない屁理屈でクスリを飲まずにこじらせて」
「………」
「早く寝ろって言ってるのに全く聞く耳を持たず、鼻をたらしながらフットボールのゲーム三昧。完徹2日目にして39度の熱出して、リビングのソファに突っ伏して倒れていたのはどこの誰」
「………」
「それから、この前作ったオートミールが嫌いだって駄々こねて、タロスに”ガキ”って指摘されたらへそ曲げて部屋に戻っちゃって、どうしたのかと思っていたら、夜中に起きだしてこっそりカップラーメンを食べてたり」
「………」
「それからー、ええと。なんだっけかな、その前のは。まだまだごっちゃりあるはずなのよ。コレだけのはずないんだから。…ちょっと待ってなさいよね。今思い出すから。えーと、ねー…」
「…すいません申し訳ありません俺らが悪うございました即行で改めますのでここら辺でどうか勘弁してください」
「じゃ、うだうだ言わずにさっさとコレ飲みな」
「頂戴します」
ホテルのメディカル・ルームの前で、二人の様子を覗いていたジョウとタロスは、互いに苦笑いを浮かべながら肩を竦める。
「…まったく。あのクソガキにはどんなクスリよりもアルフィンのあの一言が一番効くようですぜ」
タロスの呆れた口ぶりに、その長い足を組みなおしながら
「どうやら、そのようだな」
と、ジョウは面白そうに呟き、笑った。
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