| 苦しい。
重い。
「…う…」
寝返りを打てない苦しさに、ジョウは目を覚ました。 腹部が、重い。
「起きた?ジョウ」 アルフィンの弾んだ声が聞こえた。明るい笑顔が覗き込む。さらりと金髪が揺れる。 「…俺はどうしたんだ。…腹が重い…」 ぼんやりと目の覚めきらないまま言葉を発する。 「そうよ、おめでとう、ジョウ!」 「おめでとう…?」 状況がよく分からない。 「ほら!見て!」 アルフィンが満面の笑みでジョウの目の前に差し出したのは、15センチほどの白いスティックだ。丸い小さな窓がふたつ。そのどちらにも、赤いラインが浮かんでいる。 「これは、何だ…?」 「何って、妊娠検査薬に決まってるじゃない!」 「にんし…」 「ジョウ、倒れちゃったのよ。メディカルカプセルに入れたら、ジョウは妊娠してるって!採尿して検査してみたら、ホントに陽性だったのよ!もう、あたし、嬉しくて!」
にんしん。
何だって?
しかも俺が?!
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