| オイラたちがここに来たのは、2時間前。 頭上には見事な青い空とギラギラと照りつく太陽。 日差しが暑い。 さっき頼んだアイスが、すぐに溶けてしまうくらいだ。 「はぁ・・・・」 思わずため息をついた。 隣のビーチベッドに寝転んでいたタロスが、サングラス越しにこちらを見た。 声には出さないけど、なんだ?と言ってるのが分かる。 「タロスは感じないのかよ・・・・こんな状態でよく平気で寝れるなぁ。」 スプーンをくわえて辺りを見回した。 そしたら、オイラと視線を合わさないように、さっと目を逸らす人々がいる。 まぁ、こういうのはもう慣れっこなんだけどさ。 そう。いつもだから。 ・・・うーん・・・慣れたの・・かな・・・?
「リッキー!おいでよぉー!一緒に遊ぼ!」 無邪気な声が聞こえた。 視線を戻したオイラの目には、このホテルのプールの中で大きく手を振るアルフィンが映った。 チクチク。 背中に突き刺さるような視線。 「姫がお呼びだぜ。行って来い。」 低い声でタロスが言った。 ずるいな。たぶん、これは計算されてる。自分が蚊帳の外に出るためだ。 思わず頬を膨らませた。
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