| 01: あれ? 夢なのかな?ジョウが嬉しそうに笑ってる。すごく久しぶりに笑ってるよ。最近、仕事が忙しくてイライラしてて、おまけにこの前、議長からカチンと来ることを言われちゃったらしくてずっと機嫌が悪かったから、こんな笑顔を見るのは久しぶり。うわあ、今の夢だったのかなあ。あー、もったいないなあ。もう一度ちゃんと見られたらいいのにって、ちゃんと目を覚まさなきゃと思うけど、久しぶりに浴びる太陽の光があんまりポカポカしてて、どうしても目が閉じちゃうよ。 あー…、悔しい。コーヒーでも飲めば目が覚めるのに。ジョウ、コーヒー持ってきてくれないかなあ。無理かなあ。モカにちょっとだけミルクを落としてもらうとサイコーなんだけどなあ。…ああ、でもあたしが使ったカップ、どこにあるか分んないだろうなー。この部屋って無駄に広すぎよ。
あ。 今あたしの髪、ジョウが触った。 きっとすごく優しい顔してあたしを見てる。 そうでしょ? すごく嬉しくなって、あたしの口もなんだか笑う。 嬉しくてあったかくて、でももう目が開けられない。 髪を撫でられる感触がくすぐったくて、ジョウの笑った顔がどんどん瞼の奥に落ちていったけど、もういいやと思ったの。
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