| その頃、俺らはタロスとテレビを見ていた
少し温くなったコーヒーを飲み干し、新しい物を入れなおしてこようかと 立ち上がりかけた時、もの凄い勢いでアルフィンがリビングに入ってきた
「リッキー!!!!!!!!(怒)」
あまりの恐怖に俺らは条件反射でつい謝っちまった
「ごめんなさい!!!!」
するとアルフィンは、もの凄い形相で俺らの胸倉をつかみ 「やっぱり あんただったのね!!!出しなさい!さぁ出せ!すぐ出せ! 返しなさい!!!」 と俺らの首を絞めるかのように揺さぶった
「ア・・・・アルフィ・・・ン・・・苦しい・・・死ぬ・・・・」
俺らの意識が遠のきそうになった時やっとタロスがアルフィンを止めた
「アルフィン、いくらそんなヤツでも殺すのはまずい いったい何があったんだ?」
「う・・・・死ぬ・・・」
そのタロスの制止と俺らの懇願にアルフィンはやっと手を緩め俺らは解放された
首をさすりながら恐々と俺らはアルフィンに聞いた
「で、何を出すの?」
「何って・・・もしかして、あんた分かってないで謝ったの?」
「えへへへへへへっ・・・・あまりの勢いについ条件反射で」
「イチゴ」
「えっ・・・?何?」 アルフィンの言った言葉を俺らは一瞬理解できなかった
「だから、イチゴよ!苺!冷蔵庫に入ってたでしょ! アレは大事な苺なのよ、返しなさい」 「イチゴ・・・・苺であんなに怒ってたの?」
「いいから、返しなさいよ!!」
苺・・・確かに冷蔵庫に入ってた・・・・赤くてつやつやピカピカの とっても美味しそうな苺・・・実際、美味しかったけど
「・・・食べちゃった・・・アレ食べちゃまずかったの?」 脅えながら俺らは聞いた
「食べちゃったですって!!!アレ全部?・・・・返しなさい、今すぐ 買ってきなさい!!」 アルフィンの目がキリリとあがり鬼のような形相で言い切った 「あの苺を手に入れるのにどんな苦労したと思ってるの!!!! せっかく私が今日の為に取り寄せたのに!!!!(怒)」
「やっ・・・・ちっ違うよ、俺ら全部食べたわけじゃないよ・・・3個だけだよ」
「3個?じゃあ残りは・・・・」 ギロリとタロスをアルフィンが見た
「わりぃ・・・あっしも4個ほどつまんだ」 タロスが申し訳なさそうに小さい声で言った
「リッキーが3個にタロスが4個・・・じゃあ残りは・・・」
その時、リビングのドアが開きジョウが苺を食べながら入ってきた
「あ〜兄貴やばいよ!その苺!!!」 俺らは慌てて兄貴を止めようとした
「何だ?食べちゃいけなかったのか?この苺・・・・」 「アルフィンが取り寄せた苺なんだって」 言いながら兄貴の手元を見ると苺は、ほとんど残っていなかった
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