| 「ジ、ジョウ、もう良いから。」 モジモジしながらアルフィンがジョウの胸元から声を上げる。 そう。アルフィンはまだ、ジョウに前抱きにされたままだ。 「更衣室までだ。このままで我慢しろ。」 表情が伺えない、無感情な声がかえってくる。 「え!?更衣室の中まで来るの?」 困惑するアルフィン。 「・・・ドコから覗いてるか分かりゃしねぇからな。」 不機嫌をあらわにしたジョウの声。 その後に“アルフィンの身体は誰にも見せねぇ。”と、小さく呟いたのはナイショである。(爆)もちろん、アルフィンには聞こえていない。 「心配すんな。脱衣篭とタオルでバリゲート作ったら後ろ向いてるから。」 “ん〜。そういう問題じゃないんだけど。。。” 深い溜息を1つ吐くアルフィン。 そうこうしている内に、女子更衣室に到着。アルフィンを下ろしたジョウは、自分のバスタオル(下はタオルで隠してます<笑)と、脱衣篭とを組み合わせ、ギリギリ1人入れる“簡易更衣室”を作った。 「ほら、早く着替えろ。」 そうアルフィンに促し、自分は後ろを向く。全神経をそこらじゅうに張り巡らせ、人の気配を伺っている。照れいる暇なぞない。(笑) 「う、うん。。。」 モゾモゾとジョウの作ってくれた“簡易更衣室”に、着替えと共に潜り込み、素早く着替える。 「着替えたわよ。」 と、ジョウに声を掛けると、 「じゃぁ、タロスとリッキーのトコへ行っておけ。俺も着替えてすぐに行く。」 後ろを向いたまま言うと、内側の出入り口から出て行った。 もちろん、気が抜けた瞬間にアルフィンの肢体の柔らかさを思い出し、全身真っ赤になったのは言うまでも無い。(若さだよ、若さ。<核爆)
タロスとリッキーの所へアルフィンが行くと。 「あれ?兄貴は?」 温泉につかったままのリッキーが聞いてきた。着替えが無いので、出るに出れないのだ。 「ん。今、着替えてる。」 はぁ。と1つ溜息を付く。 「・・・腑が悪かったですな。」 タロスが気の毒そうに言う。 「まったく、その通りだぜ。」 何時の間にか、ジョウが近付いてきながら答える。 「あ、兄貴っ!」 「まぁ、無事皆と会えたんですから、良し。。。って訳にも行きませんか。」 憮然としているジョウ。溜息を付きまくるアルフィン。ずぶ濡れのリッキー。服がズタボロになっているタロス。 まともな状態のメンバーは1人も居ない。(番茶は無視されている<笑) 「おい。宿はここから遠いのか?」 ジョウが聞く。 「ん゛〜。もう早く戻りましょうよ。」 うんざりしてアルフィンが続く。 「いや、近いですぜ?目と鼻の先です。」 思い出したようにタロスが答える。 「おいらも戻って着替えたいよ。」 ぶぇっくしょんっ!と盛大なクシャミを1つかますリッキー。 「じゃ、戻りましょうぜ。おい、リッキー。お前はとっとと上がって、ダッシュで部屋へ戻れ。」 「あーってるよっ!言われなくてもそうさせて貰うぜ。風邪引きたくねーもん。」 「お前、“バカは風邪引かない。”ってコトワザ知らねぇのか?」 「んっだとぉ〜っ!?」 湯船から飛び上がり、タロスを睨むリッキー。 調子が戻ったと単にコレである。 「タロス!いい加減にしろっ!リッキーっ!本当に風邪引きたくなかったら、早く部屋へ戻れっ!」 ジョウの雷が2人に落ちる。 「「は、はいっ!」」 2人同時に返事をし、リッキーは濡れたままダッシュして行く。 「タロス。早く戻ろう。」 はぁ。今度はジョウが盛大な溜息を付いた。 「あ、あのぉ〜。もしかしなくても、私、忘れられています?」 タロスの足元から、情けなーい声がする。 「あ。忘れてた。」 タロスは、番茶を踏みつけていた足をどける。先ほど踏みつける力を緩めたのだ。 「や〜。声も出せないし、動こうとしても身動き出来なくて参りましたよ。」 ・・・当たり前だ。動けないように踏みつけてたんだよ。 ボソっ。と、タロスが呟く。 「は?何か言われましたか?・・・ぶっ、ぶえっくしょんっ!!!」 ザブンっ! 番茶は起き上がったが早いか、盛大なクシャミをかまし、ブルルっ!と震えたが早いか、湯船に飛び込んだ。 そういえばコイツ、湯船を掻き分けてやって来たんだよな。(爆) 「あ〜♪良い湯加減ですなぁ〜♪」 ・・・こういう状況下で、このセリフ。やはしズレている。(苦笑) 「気持ち良いですよ〜♪皆さんもどうですかぁ〜?って、あれ???」 番茶が落ち着いている間に、ジョウ達は既に姿をくらませていた。 当たり前だ。これ以上コイツとなんぞ居たくねぇ。(大笑) 「もぉ〜。折角の良いお湯なのに。勿体無いなぁ〜。」 ・・・服のまま浸かって言うセリフか?しかも、お客ほたってて良いのか? 「あ。風邪引いて、この先のお相手できなくなる方がマズイでしょ?このまましっかり温まってから、ホテルに帰りますよ♪」 番茶。誰に向かって喋ってんだ???
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