| 「兄貴、明日はクリスマスだろ? たまにはさ、兄貴からアルフィン誘って出掛けておいでよ」
突然のリッキーの言葉に俺は驚いて聞き返す 「何なんだいきなり・・・・」
「いやさ、珍しくクリスマスなんてイベントと休暇がかさなっただろ だからさぁ〜いつもみたいに皆でドンチャン騒ぎも良いけど こう恋人達の2人っきりのクリスマスなんてのも良いんじゃないかと思ってね ・・・・たとえば、ココのホテルからエアカーで30分位の所にコンサートホール があったじゃん、そこでクリスマスコンサートを見てその後、 歩いて10分位の所にある展望レストランで夜景を見ながら食事なんてどうだい?」
鼻の頭をかきながらリッキーはヘヘヘヘッと笑ってみせた でも、実は俺も珍しく明日のクリスマスはアルフィンを誘って何処かに 出掛けてみようかと考えてはいた・・・・・ が、いきなりそんな事を思い立ってもいまさら どの店も一杯なのは分かりきっていたので どうしようかと思っていたのだった
「出掛けると言っても何処も予約で一杯だろうし そのコンサートチケットにしたって今更、手に入らないだろ」
するとリッキーはポケットをゴソゴソと探りながら 2枚のチケットを取り出してきた
「へヘヘヘヘッ それが違うんだな〜 これ、明日の夜のコンサートチケット なんかさ、ゴスペルとか聞かせて結構良いらしいよ それと、展望レストランの予約も兄貴の名前で入れてあるから あっ もちろん代金は支払ってあるからさ プレゼントという事で楽しんできてよ」
あまりの手際よさにコイツは本当にリッキーなんだろうか?と 不思議に思うのと、代金を支払い済みという言葉にビックリした だってそうだろう・・・・コンサートチケットとディナーの代金と いったら結構な額だ、プレゼントといって済む金額じゃない
「プレゼントって額じゃないだろう いくらしたんだ?ちゃんと払うよ」
俺の言葉に対し返事をしたのはタロスだった
「何も言わずに貰っとくわけにはいきませんか?」 「しかし、ただで貰うにしては高額すぎる」
「あのさ・・・・俺らからだけってわけじゃないんだぜ このプレゼント・・・・タロスと・・・ミミーの 3人からのプレゼントなんだ・・・だからさ、貰ってくれよ」
最後の方はボソボソと小さい声でリッキーが言った
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