| それは、いつものように(ミネルバ)のリビングで明日からの休暇の予定をたてている時だった。アルフィンが4人分のお茶を入れながら 「あのね、休暇の事なんだけど、今朝ピザンから連絡があったの。明後日からピザンで カーニバルが始まるから帰ってらっしゃいって」 「カーニバル?なんで今更カーニバルなんかでアルフィンに帰って来いなんて言うのさ カーニバルなら毎年あるんだろう」 リッキーが言った。実際アルフィンがクラッシャーになって7年、今まで1度も呼び戻されたことは無い。リッキーの疑問も、もっともだった。 「今回は特別、ピザンがテラから独立した記念祭なんだから、式典とかもあるのよ。 もっともたまには顔を見せなさいという意味もあるみたいだけど・・・・」 「じゃあ、今回の休暇アルフィンはピザンに帰るのか?それならアルフィンをピザンに 送って、俺たちは近くのリゾート惑星にでも行くか」 ジョウがお茶を受け取りながら言った。 「あらっ わざわざリゾート惑星に行かなくてもジョウ達もピザンで休暇を過ごせば いいじゃない。せっかくのカーニバルなんだから、すごく華やかで楽しいわよ。 それにピザンにもジル・ピザンというリゾート惑星があるんだから問題ないでしょ」 アルフィンの意見に3人の顔には即座に(嫌だ)という色が浮かんだがはっきりと それを口にすることができなかった。 黙っている3人を疑問に思ったアルフィンが口を開く 「なに?ピザンだと何か都合が悪いの?」 「いや・・・・別に都合が悪いというわけじゃ・・・ただ」 そう、都合が悪い訳では無い。ただせっかくの休暇を自分の銅像があるピザンで過ごしたく無いというだけだ。ジョウがその事実をどう説明したらいいか考えていると だんだんアルフィンの機嫌が悪くなってきているのが分かった、するとリッキーが 間に割って入り 「俺ら、そのカーニバル見たいな、楽しそうじゃん。なっ タロス」 と言いながら隣に座っているタロスの脇腹をつつく、するとタロスも答えるかのように 「どうです、ジョウ。今回の休暇はピザンでとるということで、このチビスケも行きたが ってる事ですし、アルフィンの方も式典とかの行事が終われば合流という事になる訳 ですから・・・・」 2人は必死だ、このままアルフィンの機嫌が悪くなれば自分達に被害がおよぶ それは避けなければならない。 「分かった、前半はピザン後半は何処か近場のリゾート惑星で過ごす。それで良いだろ う」 ジョウが妥協案をだしてその場はおさまった。 しかし、そのことがジョウの人生を大きく変えることになるとは その時は誰も気づいていなかった。
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